逐語記録と一緒に提出する総括には、そのことをそのまま書けばいい…とkensukeさんがアドバイスしてくれた。
残り1週間、私は2本の逐語記録とその振り返り、全体を通しての総括を書き上げた。
文章を書くのは好きだ。
普段はけっこうスラスラ書くのだが、逐語も振り返りも総括も、何度も何度も書き直し、絞り出すようにして書いた。
締め切り前日に宅配便を出したら、もうできることはない。
あとは待つだけ。
運を天(akemiちゃん)に任せて、ただ待つだけ。
合否発表
そして冒頭に戻る。
2026年4月28日、私は試験の合否を聞くために、新幹線に乗った。
目的地は試験会場と同じ場所だった。
あの日と同じ道をたどる。
2日目の朝、重い気持ちと足を引きずりながら歩いた道。
散りゆく桜の木の下で、しばらく佇んでいたなぁ。
地面に落ちた桜の花びらを、お守り替わり拾ったなぁ。
この日、もう木に花はなく、新緑が芽吹いていた。
気持ち晴れ晴れとはいかないけれど、妙に心は凪いでいた。
どんな結果であっても、それがあるべき結果として受け止める覚悟ができていたのかもしれない。
会場に集まった同期は5人、遠方の2人はZOOM参加だった。
みんな、どこかぎこちなく神妙な面持ち。
合否発表の前に、akemiちゃんのお話。
akemiちゃんは、最近、あることで断られる経験をして、すごく傷ついた。
だからNOと言われる気持ちが身に染みたし、合格はともかく不合格を言い渡すのが、とても苦しい。
縁あって、2年間、自分のもとで一生懸命学んできた受験生たち、その成長をずっと見守ってきたから。
だが組織の長として、これも大切な役目だ…と。
そして一人ずつ、合否とその理由が言い渡された。
私は4番目だった。
akemiちゃんは、じっと私の目を見て、「よく来たね」と言った。
私の様子を見ていて、おそらく現地には来ないだろうと思っていたとのこと。
金沢は遠いし、95%の勝率がないと動かない私が、確証もないのに、わざわざ東京まで来ないだろうと。
う……、見抜かれている。💦

chikaちゃん、……合格。ただしギリギリね。
一瞬ポカンとしてしまった。
え? 合格? そうなの?
一気に力が抜けて、椅子からずり落ちそうになった。
akemiちゃんの声が遠い。
まるで水の中にいるみたい。
合格か不合格かを一番悩んだのは、私だったそうだ。
本当に紙一重だったんだなぁ。
なにが合否を分けたのだろう。
この後しばらく、本当は合格レベルに達していない…という考えが、私につきまとう。
「私はダメ」、つまりは自己否定ビリーフが発動される。
ビリーフはゼロにはならない。
ただこういうビリーフがあると気づいているといないとでは、反応に大きな違いが出る。
自動的かつ無意識に拗ねたり、怒ったり、攻撃的になったりするか、ああ、今、こういう風に感じているな…と自分を客観視できるか、そして違う選択ができるか。
ともすれば、はいはい、どうせ私はダメですよ…とイジイジしがちな私が、ギリギリだって合格は合格、これからもっと学べばよしと、未来へ目を向けることができたのは、この2年間の成果と言わざるを得ない。
だがこの時は、正直、なにが起こっているのか分からなかった。
そして記憶がしごく曖昧。
残念なことに、全員、合格とはならなかった。
苦楽を共にしてきた7人なのに、合格したのは5人。
かける言葉が見つからない。
すべてのことに意味があるとはいえ、本当に残念に思っている。
ひとりは、しばらく本業に専念すると言い、もうひとりは来年、再チャレンジすると言う。
どっちの選択も心から応援したい。
支えてくれた人たち
今回の受験では、たくさんの方のお世話になった。
新しい世界を見せてくれたakemiちゃん、受講中から試験対策を指導してくれたkensukeさん、貴重なアドバイスをくれたスーパーバイザー、合同自主トレでビリーフリセットの肝を教えてくれたayaさん、経験談をシェアし励まし続けてくれた先輩方、惜しみないエールを送ってくれた受講生仲間たち、モニターセッションに協力してくれた方たち。
私が試験を受けると決めただけで、こんなにたくさんの方が関わってくれた。
有り難いなぁと感謝の念が湧いてくる。
そして一緒に頑張ってきた6人の同期生。
彼らの存在のなんと大きかったことか。
同じ目標に向かって一緒に頑張るという経験は、一匹狼で単独行動を常としてきた私には、とても新鮮だった。
仲間がいるっていいものだなぁとしみじみ感じた。
彼らは私の痛みに寄り添って、泣いてくれた。私も彼らの痛みを感じて、泣いた。
試験中も励まし合い、支え合い、協力し合った。
私が突然、予定にないメソッドに踏み切った時も、すっと動いて、椅子やカメラの移動を手伝い、サポートしてくれたのも、同期生だった。
こんな深い絆をつむいだ仲間と出会えたことは、なんて幸せなことだろう。
ご縁って、不思議だ。
そしてずっとずっと応援し続けてくれた夫。
そもそも認定試験を受けるよう勧めてくれのも夫だった。
大事な一歩の前で立ち往生する私の背中を、いつも押してくれる。
もう無理と思った時も、松岡修造のように熱くはないが、淡々と励ましてくれた。
私ひとりでは、最後まで走り抜けることはできなかった。
ありがとう。
新人GL(グループリーダー)として
合否が分かってからの日々は、慌ただしかった。
LPL19期の開講まで3週間あまり。
ゴールデンウィークを挟んで、スタッフミーティングに参加したり、GLトレーニングに参加したり、課題図書を読み返したり。
先輩方が、みんな偉大な巨人に見える。
いやいや、みんな、新人だった時代もあったはず…と自分を鼓舞する。
自覚も実感も追いつかないまま、LPL19期の初日を迎えた。
今年から会場が田町に変更になった。
広々とした会場で駅からも近い。
実際に会場に足を踏み入れても、なにか場違いなような気がして、ついつい挙動不審になってしまう。🤣
きっと新人5人は、みんな同じ心境だったと思う。
もうすぐ受講生さんがやってくる。
期待に胸を膨らませながら、あるいはドキドキしながら、不安も覚えながら、あの扉から入ってくる。
2年前は、私が温かく迎え入れてもらったが、今度は私がお迎えする番だ。
GLとして、私が自主トレを主導したり、セラピーセッションをする場面もあるだろう。
全然自信なんてないけれど、もうそんなことは言ってられない。
前を向いて、今、私のできることを、精一杯やっていこう。
私は認定セラピストとしての第一歩を踏み出した。
これからどんな景色に出会っていくのか、緊張とワクワクを抱えながら。
おしまい

(認定証授与式)
