人を変えることは、山を動かすかの如く。
ほぼ不可能に近い。
なぜそんなに難しいかというと、みんな自分が正しいと信じているからだ。
同じ物事を見ても、AさんとBさんでは捉え方が違う。
Aさんには黄緑色に見える現実が、Bさんには若草色に見えている。
黄緑色と若草色くらいの齟齬ならまだいいけれど、場合によっては赤と緑くらいの隔たりがある。
でもどっちが正しいというわけではない。
それが黄緑色と若草色の微妙なズレであっても、赤と緑の明確な違いであっても、当人にとってはそれぞれの色が正解で絶対なのだ。
黄緑色が正しいと思っている人に、若草色を押し付けても、それは無駄なこと。
だってその人にとっては、黄緑色こそが真実なのだから。
私たちにできるのは、相手を若草色に染めることではない。
あなたは黄緑色なんだね…と、ただその違いを認めて受け入れること。
だって黄緑色はその人にとって、まぎれもない真実なのだから。
無理に混じりあう必要はない。
無理に迎合する必要もない。
無理に相手を持ち上げる必要もない。
私たちのチャレンジは、黄緑色と若草色の真実を持つ者同士が、お互いの違いを責めず、非難せず、ジャッジせず、競い合わず、戦わない道を、見つけることだと思う。
満開の桜が、きっとできるよ…と語りかけてくるよう。