パワーブロガーの立花岳志さん(たっちー)のメルマガに、僕は傷つけられたのではなく、傷ついたのだ…と書いてあった。
このフレーズには、考えさせられた。
「傷つけられた」と「傷ついた」は、似ているようだが、本当は全然違う。
「傷つけられた」とは?
「傷つけられた」の場合、相手がいる。
誰かが何かを言うかするかして、わたしにイヤな想いをさせたのだ。
そこには相手を加害者にして、自分を被害者の立場に置く構図がある。
つまり「あの人のせいで…」が成立する。
この不都合に対して自分には責任がなく、相手の理不尽により、一方的に傷つけられた…可愛そうな私を見る。
「傷ついた」とは?
「傷ついた」の場合も、相手がいることが多い。
だが心にダメージを受けたことは同じでも、「傷ついた」は、相手に責任転嫁をしていない。
きっかけは相手の言動かもしれないが、そこに悪意を見いださない。
相手にもなんらかの事情があったのだろう、悪気はなかったのだろう、相手がどんな言動をするもそれは相手の自由…と考える。
そしてその言動で傷ついたのは、すでに自分の内にある何かが刺激されたからだと解釈する。
劣等感だったり、自己肯定感の低さだったり、妬みだったり、ダメージの元々の原因は自分にある…と。
「傷つけられた」が行きつく先
傷つけられたと騒いでいる限り、その人は自分の内側に目を向けない。
ただ相手に非があることを証明したい。
とにかく自分は間違っていないことを証明したい。
自分のこうむったダメージの責任をとってもらいたい。
これはエネルギーを食い潰す、非常に疲れるメンタリティだが、被害者意識の強い人はそこから抜け出せない。
被害者意識にしがみつく理由
個人的な考えだが、おそらく怖いのだと思う。
この苦しみの元凶が自分にあると認めることが。
だって自分は正しい側だから。
だって自分には嫉妬や憎しみや拗ね…みたいな醜い面はないと思いたいから。
つまり自分の影は見たくないから。
この清く正しく美しい存在である私を傷つけるなんて、相手はなんてひどい奴!
…と相手を責めている間は、自分の弱さや小ささを認めなくてもすむから。
内観できるか・できないか
だけどね、同じようなシチュエーションで同じような言動を受けたとしても、傷つけられた!…と被害者意識を前面に押し出さない人もいる。
それどころか、さらっと受け流し、ダメージをこうむらない。
不愉快…くらいには思うかもしれないが、相手の責任追及に血道を上げない。
その違いはどこから来るのか。
やはり内観できるか、できないか…だろう。
それはベクトルを相手にではなく、自分に向けられる人。
ことさらに自分を大きく強く有能に見せなくても、他人からの承認などなくても、等身大の自分を肯定できる人。
自分の弱さを見つめられる人。
被害者意識に浸るのは…実は愉しい
可愛そうなシンデレラを演じるのは、実は愉しい。
…後ろ暗い愉しさではあるが。
被害者って、実は立場的には強いのだ。
相手を糾弾できる大義名分があるから。
弱い皮をかぶって、マウントをとれる。
でもそれは自分の弱さを認めることではない。
自分を大きく、価値ある者に見せたいがために、弱さを使う。
だから声高に「傷つけられた」と叫ぶのだ。
本当に強い人は、「傷ついちゃった…」と心の状態そのものに目を向ける。
相手を責めている限り、ずっと苦しい
タッチーのメルマガに、心揺さぶられたのは、私にも思い当たる節があったからだ。
相手の行動によって、いたく傷つけられたと感じた。
そんなことをされるほど、嫌われるような覚えはない。
理解しがたい行動だった。
…なんでそこまで私を傷つけるの?
でも今から思えば、これは責任を相手に転嫁している。
全ては相手のせいになっている。
相手が何をしようが、何を感じようが、それは相手の勝手だし、相手は私をハッピーにするために存在しているわけでもないし、相手には不快を排除する自由がある。
なのに私は、人としてそれはどうなの…と、心の中で相手をずっと責めていた。
そうしている間、私は苦しかった。
心に平和がなかった。
お腹の底から湧いてくる、苦い重苦しい何かに、ジワジワと浸食された。
…それは、私が「傷つけられた」と怒りを握りしめていたからだ。
確かに傷ついたのだけれど、…その気持ちだけを掬いあげていればよかった。
痛かったなぁ…、すっごく悲しいと、自分の気持ちを認めてあげるだけでよかった。
被害者意識の罠に、まんまとハマってしまっていた。
いや、面目ない(^^ゞ。
でもそこに相手の悪意や落ち度を探すのを辞めてから、パタッと気持ちが晴れた。
解放された…とでも言おうか。
赦す…なんて、おこがましいけれど、手放すことは結局、自分をラクにしてくれる。
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今回私が、はっとさせられたメルマガは、『立花岳志のブログに書けない本当の話』。
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たっちーは、立花B塾の主宰者。私のブログの先生。