岸見一郎氏の「嫌われる勇気」を再読中。
2013年暮れに出版され、あっという間にベストセラーとなった超有名本。
どこに行っても、あの青い表紙の本を読んでいる人がいた。
ご多分に漏れず、私もすぐに飛びついた。
さらっと一読して、…まあ、だいたい知ってるな(←何様?)と、さしたる感想もなく終わった。
その5年後、同じ本を再び手に取るわけだが、今回はさらっと一読できない。
赤線を引いたり、同じ章を読み直したり、本を閉じて反芻したり…、なかなかラストページに至らない。…それどころか最後までいったら、また最初から読み直したりで、今、のべ5巡目である。
面白いのかって?
面白いというより、5年前に読んだ時には気づかなかったなにか、絶対に取りこぼしたくないなにかがあると、そこはかとなく感じている。
今度こそ、がっちり捕まえてやりたい、‥そんななにか。
「嫌われる勇気」はアドラー心理学の神髄を、賢人と若者の対話形式で解説している。
日本では、フロイトやユングほど知られていないが、アドラーは心理学の世界3大巨頭の一人なのだ。
大きな特徴は、フロイトやユングが結果論を支持しているのに対して、アドラーは目的論を主張する。
分かりやすく言うと、たとえば、Aさんが人の言葉をいつもネガティブに受け取り、人付き合いに積極的になれないのは、幼い頃、母親に「あんたは本当にダメな子ね…」と言われ続けたことがトラウマとなって、今の感じ方や行動に影響しているというのが、結果論。
一方、Aさんには元々、人と積極的にかかわりたくないという目的があり、その目的を叶えるために、わざわざネガティブなフィルターをかけて、人の言葉を聴くというのが、目的論。
アドラーは、トラウマなんて存在しない!…と言い切る。
結果論では、すべてが過去に決定されるので、現実を変えようがないが、目的論では、未来はその人次第で、いかようにも変えられる。
私たちが本当に知りたいのは、原因ではなく、具体策だ。
自分がネガティブになった原因ではなく、そこから抜け出す方法。
自分のことが嫌いになった原因ではなく、自分を好きになる方法。
友達がいない原因ではなく、友達を作る方法。
いくら原因を論じてみても、現実は変わらない。
でも自分で設定した目的ならば、いくらでも変えられる。
さて私は、現実は思考が創りだしている…と最近考えるようになったが、これは目的論と近いように思う。
なにかここに大きなカギが隠されているようで、再々々々読が止められない。
実は続編の「幸せになる勇気」という赤い本も持っているが、青い本をなかなか卒業できないので、ずっと本棚で待たせたまま。
だけど、いいや。気が済むまで、読み込もう。
そして気づいたことを、その都度、ブログに書いていこう。
つきあってくれたら…、嬉しいけど。