引き続き、いいお天気の加賀地方。
5月3日はお料理ライブだったけれど、4日はコース料理の日。
朝から張り切って木楽屋さんのキッチンへ。
本道佳子シェフは、昨日と同じように、また食材とにらめっこ。
う~~んと唸った後に、ぱぱぱぱぱっと本日のメニューを書き出した。(なんでいつも段ボールの切れ端に書くのかな💦)
全部で10皿。
10皿を10人分ね。
今回のイベントで、本道佳子シェフの片腕を務めるのはスミスミ。
スミスミは、3年間、船戸クリニックの老健施設で、1年365日、1日3食作っていた料理人。
高齢者にとっては、この食事が最後の晩餐かもしれない・・・と思うと、毎回が真剣勝負だったと語る。
スミスミが作っていたのは給食ではなく、命を満たすお食事。
本道シェフが絶大な信頼を置くのもよく分かる。
ワンコを見る眼差しも、食材を扱う手つきも、とても優しい。
私もお手伝い。
長いアスパラガスを折っちゃったり、皮を厚く剥きすぎたり、手伝ってるのか邪魔しているのか分からないけれど、本道シェフとキッチンで働くのは、とても楽しい。
フライパンの中で食材が踊る。めっちゃ格好いい!
12時になり、本日のお客様が到着。まずはご挨拶から。
言葉が通じなくても、主義主張が違っても、”美味しい”は共通。
美味しいご飯を一緒に食べることで、みんなが幸せな気持ちになって、世界も平和になったらいいな・・・と本道さんは言う。
本日のコース、テーマはなんと【魂】。
魂で始まって、魂で終わるとのこと。
肉も魚も動物性の食材は一切使わない和ビーガン。いったいどんなお料理になるのかな。
では本道シェフのフルコースをとくとご覧あれ。
スミスミが腕力に物をいわせて、ガシガシ練って作ったごま豆腐。
大根の魂(種)が横に一本。
お次は立派なアスパラガスが縦に一本。
オーブンでローストしてある。
ピンクドレッシングとともに。
こちらもロースト。
丸ごとのジャガイモとタマネギ。このタマネギがめちゃめちゃ甘い。
これをワイングラスに盛る発想が、すごすぎる。
ひじきと切り干し大根と小松菜の和え物。
ひじきは沖縄の姫島で、満月と新月の日しか収穫できないというシロモノ。
水で戻しただけで、火は通していない。
シャキシャキ感が楽しい一品。
味噌ナス。左がBEFORE、右がAFTER。
バルサミコ酢をお洒落に散らして。
ケールのサラダ。
塩もみしたケールの下に、もちもちのキヌアとピンクマヨネーズが隠れている。
彩りも美しいお料理。
そしてこれが本日のメイン【春の畑・まるがいっぱい】。
薄茶のカリオカ豆と色鮮やかなグリーンピース(私が剥いた!)にハトムギ。
トップには低温でじっくり揚げた加賀レンコンと白味噌。
畑のエネルギーが、これでもかと詰まっている。
キッチンに10皿並んでいる時も、圧巻だった。
〆はオーガニックのパスタ。人参とハトムギとニンニクのトマトソースで。
大根の花と魂を添えて。
賑やかなデザート。
真ん中の半透明の物はアロエ。
上にかかっているのがアマニ。
ベロンと長いのが、パッションフルーツの羊羹。
あんこも、もちろん甘さ控えめのお手製だ。
そして黒文字のお茶。
高級楊枝を作る黒文字の木の葉を煎じて淹れた。
花瓶にさしてあった木の枝、なんだろう・・・と思っていたら、お茶にするためだった。
新緑の今しか、柔らかい葉っぱが採れないらしい。
肉も魚も一切ないが、お客様は男性も含めて、みんな満腹のご様子。
大地からの新鮮なエネルギーは、身体を活性化させるようだ。
美味しい物を美味しく食べる。
こんなシンプルなことで、私たちはこんなにも幸せな気持ちになれる。
この日集った10人は、美味しいをシェアして、間違いなく心が満たされた。
この気持ち、この満足感、この温かさを、次の誰かに渡し、それがまた次の誰かに繋がっていけば、世界は本当に平和になるかもしれない。
ピカピカのグリーンピースは、エネルギーの塊。