午前十時の映画祭とは、映画館で名作映画を、毎日午前10時から上映する特集上映のこと。
主催は一般社団法人・映画演劇文化協会。
何十年も前の名作映画を、また大型スクリーンで観られる、またとないチャンスだ。
昔の映画には、CGや特殊効果もなく、音響・ライティングを含む撮影技術も現代より見劣りがするかもしれない。
だが永遠の名作と言われる映画には、名画たるゆえんがある。
スピードが速い現代において、昔の名画に割く時間は優先順位が低い。
でもそこには、私たちが失ってしまったなにかがある。
午前十時の映画祭、金沢では、駅前のフォーラスでやっているのは知っていた。
だけど、朝の10時から映画なんて…と、どこか罪悪感にも似た想いがあり、足を運んだことはない。
見に来るのは昔を懐かしむ(自由な時間もある)シニア層が95%。
だが映画によっては、若い人にも名画への扉を開いた。
たとえば1997年公開のタイタニックは、客層の20%が若者だった。(もう20年以上も前だなんて…)
両親に勧められて来たという学生さんもいて、親から子へ名画が受け継がれた形だ。
ところがこの映画祭、今年がファイナルになる。
お客さんは入っていたが、経費が掛かりすぎて、ずっと赤字だったとのこと。
惜しいなぁ…なんて、1度も行ったことのない私には言う資格はないが、10年の集大成になる、今年のラインアップはとても魅力的だ。
ファイナルは週替わりではなく、2週間に1本なので(バックトゥザフューチャーを除く)、全27本の上映。
ダンス・ウィズ・ウルブス、サウンド・オブ・ミュージック、ローマの休日、風と共に去りぬ、愛と青春の旅立ち、ああ、昔、胸振るわせた名画が目白押し…。
ジョーズにいたっては、この映画祭限定で、スピルバーグ監督の許可を得たという。
コンプリートしてみようかなと、今、密かに画策中。