北欧の旅2025⑫ ヘルシンキ/フィンランドの森散策ツアー

8月7日。

晴れたーーー!

やった、嬉しい。

今日は郊外の森へピクニックに行く日。絶対、晴れてもらわないと困る。

日本語ガイドさんと一緒に

日本で申し込んだオプショナルツアーの最後のひとつは、フィンランドの森散策ツアー。

なんてったってフィンランド。森と湖の国。

ヘルシンキの郊外、バスで1時間もかからない場所に、豊かな森が広がっているのなら、絶対、行くでしょーーー!

日本語ガイドさんとの待ち合わせは、ホテルから歩いて30秒のヘルシンキセントラルステーション。

内部はこんな感じ。

趣があるね。

日本語ガイドは、彩希さんとトニー。

彩希さんはフィンランドに来て14年。こちらの方と結婚して、現在、子育てに奮闘中。

日本で都市工学と環境デザインを学んだ後、フィンランドを代表する建築家・アアルトの大学に通っていた。

トニーは父親がギリシャ人、母親が日本人のハーフで、フィンランドに来たばかり。今は語学学校に通って、フィンランド語を猛勉強している。(語学ができないと職も見つけにくいので、政府がサポートしている)

2人を見た時、キキとトンボみたいと思っちゃった。

それにしても、日本語でいろいろ聞けるとは、かくも心安らぐものなのか。

街のことや、交通機関の利用法や、お薦めのお土産など、いろいろ2人に教えてもらった。

知らない街にいった初日に、日本語ガイドさんをお願いするのは、なかなかいい案だと思う。

さて一行はヘルシンキ駅前のバス停から、乗り合いバスに乗って北西を目指す。

街の人たちが、乗ってきて、下りていく。普通の日常の光景が流れていく。

40分くらいバスに揺られ、ただの道ばた?・・・と思うような、何もない場所で下車。

この道ばたから、森に入るとのこと。これはガイドさんがいないと分らない。

ルーッキ自然公園(luukin ulkoilualue)

帽子をかぶって、靴紐を締めて、いざ参ろうか。

バス通りからひょんと一本入っただけで、もうそこはルーッキ自然公園の森だった。

そびえ立つ針葉樹の隙間から、陽の光がこぼれ落ちてくる。

空気がしっとりと澄んでいて、思わず深呼吸。

気のいい場所には、プラーナがいっぱい飛んでいるらしいが、今日はプラーナまみれになりそうな予感。

がっつり競技のように歩くのではなく、休憩を挟みながら3時間くらい散策する。

若い頃ほど足腰が強くなくても、大丈夫なツアーだ。

ほどなくして湖畔に到着。

なんて穏やかな・・・。

白鳥が出迎えてくれた。

湖面がキラキラキラキラ、なんて美しいの!

自然甘受権?

フィンランドには、自然甘受権という権利がある。

誰もが自然の恵みに預かってよい権利。

つまり森のベリーやキノコは見つけた人が、自由に採っていい。

もし日本に自然甘受権があったら、松茸は全滅するのでは?😅

ビルベリーという、ブルーベリーの親戚みたいな実が、足元にいっぱい。

味もブルーベリーみたい。

食べる分だけ、摘んでいいですよ・・・と彩希さんにタッパーを渡される。

採って売るのはダメですよと言われたけれど、実は私たち、売るためにごっそり採っていた女性に出くわしてしまった😅

ちり取りと熊手が合体したような道具で、ザクザク採るらしい。

私たちは手摘みでチマチマと。

いちご狩りもそうだけれど、自分で摘むって、楽しいね。

可愛い紅い実もあった。食べられそうもないけど。

ジンの原料になる実も見つけた。

森の中でコーヒーブレイク

「そろそろお茶にしましょう」

彩希さんのリュックは、まるでドラえもんのポケット。

こんな場所で、温かいコーヒーが飲めるなんて。☕

お茶請けは、ファッェル(Fazer)のチョコレート。

ファッェルは、1891年設立の老舗チョコレートメーカーで、カカオ農家の労働環境や森林保護のサポートのため、100%フェアトレードのカカオを使用している。

100%というのが、すごい。

特にミルクチョコレートが美味しい。日本におけるmeijiみたいな位置づけかな。

日本でも買えるようだが、めちゃめちゃ高いので、フィンランドに行かれた際は、是非お試しあれ。

お土産にもちょうどいいサイズなのだが、真夏の日本に持ち帰ったら、成田に着いた瞬間に溶けると思って買わなかった。(すごく後悔している)

こんなに素敵な所なのに、なかなか人とすれ違わない。

平日だけど、バケーションシーズンなのに。スペースが広くて、空も大地も近く感じる。人口が過密でないことの恩恵かな。

最高のフォトスポット独占!

座禅を組むケビン。似合いすぎ~~。

ちなみにケビンはケビン・コスナー由来で、グループの中で唯一の男性なので、ボディガードになってね・・・という主旨で命名された。

大地を抱きしめるYasuyoちゃん。彼女はいつでもどこでもマインドフルネスを実践中。

飛びます、飛びます~~のポーズ?

さてここでトイレの紹介を。

自然の中とはいえ、トイレは必要だ。

小屋の戸を開けると・・・。

うわ~~~😅

もちろん水洗式なんか望めない。

左側の穴に用を足したら、右側のペレットみたいな物をシャベルでかける。

そうすると発酵が進んで、これも堆肥みたいになるらしい。

自然だよね、これが生き物の自然のサイクル。バイオだぜ。💩

ハルコランピでマッカラとカレリアパイ

ベリーを摘みながら、湖畔の道をブラブラ歩き、ハルコランピに到着。

フィンランド語のlampiは、小さな湖や池のこと。

つまりここは、ハルコ池?

「バーベキューをしますね」と彩希さんのかけ声で、私たちは薪割り体験。

大きく振りかぶって、打ち下ろせ~~~!

割った薪を集めて、バーベキューコンロにくべる。

そしてマッカラを焼く。

マッカラはフィンランド語でソーセージの意味。

家族や友人が集まると、たき火を囲んでマッカラを焼くのが一般的で、夏至祭には欠かせない料理とのこと。

これまた彩希さんのリュックから出てきたカレリアパイも、グリルであぶって、バターを塗って、森で採ってきたキノコを乗せていただく。

これは食べても大丈夫なキノコだが、ヤバいキノコもいくつかあったよ。(紅いのとか、とんがったのとか)

カレリアパイは、ライ麦の生地に米のミルク粥を包んで焼いた、フィンランドの伝統的パイ。

日本におけるお握りみたいなもので、よく食べます・・・とトニー。

確かに、ホテルの朝食ビュッフェにもあった。

ジュースやアイスティーもパックごと出てきた。小柄な彩希さんがこれを背負って歩くのは、さぞ重たかっただろう・・・。ガイドの仕事は重労働だ。

ハルコ池の周りは、本当に気持ちがよい場所で、ただそこにいるだけで多幸感が満ちてくる。

風と光と緑と水と・・・、こういうの好き。理由なく好き。

全身で味わっていたら、誰かがパチリと撮ってくれた。

手に持っているのが木くずというのがお洒落じゃないが、プロフィール画像にするくらい気に入った。

この多幸感を持って帰りたい。

キキとトンボとAkemiちゃん。

カイタランピ

ハルコ池を後にして、もうひとつの池を目指す。

足元の苔がコンペイトウみたい。これはすでに紅葉しているのかな。

こちらはカイタ池(カイタランピ)。

ハルコ池よりも賑わっていて、泳いでいる人もいた。

8月とはいえ気温は20度前後、サウナの国の人は元気だ。

これ、なんだと思う?

蟻塚だって!😲 高さ1メートルはあった。でっかい。

ゆっくりしていたら、予定のバスに乗り遅れてしまった。

1時間、遅くなってもいいですか・・・と恐縮する彩希さん。

全然、大丈夫~~~。だって私たち、こんなに楽しんでるんだもの。

また道ばたみたいな停留所から、1時間後のバスに乗り、ヘルシンキへ戻る。

帰りのバスの中で、トニーがフィンランドの医療事情について教えてくれた。

公立病院と民間の病院があり、公立病院は保険適用で値段はさほどでもないが、ものすごく待たされるし、予約もなかなか取れない。

民間のクリニックや病院はすぐ診てくれるが、ほとんど自費診療なので、めちゃくちゃ高額。

だから国民は病気にならないよう、普段から気をつけているし、免疫力を高めたり、丈夫な身体を作る努力をしているとのこと。

まあ、病気にならない努力はしたほうがいいよね。・・・フィンランドの人だけでなく、日本人も。

私はクリニックで働いているけれど、日本人はちょっと病院を頼りすぎじゃないかと思うこともある。国民皆保険制度が破綻しかかっている今、変えるべきはまず私たちの意識かもしれない。

先日、トニーは我慢できない歯痛に悩まされ、やむを得ず民間の歯科を受診した。

結果、胡麻が挟まっていただけなのだが、日本円にして2万円くらいかかったという、気の毒だけれど笑っちゃうエピソードを披露してくれた。

お天気にも恵まれ、森のピクニックは大・大・大満足なフィンランド体験だった。

キキちゃん、トンボ、ありがとう💕

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この記事を書いた人

Chikakoプロフィール

Chikako

金沢市在住。バラとコーヒーとコーギーが好き。
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