クリスマスまでの25日間、1日ひとつずつ、嬉しいことや楽しいことや好きなことを数えています。
December 13
クリスマスが近づくと、ふっと思い出す映画があるが、ホリディもそのひとつ。
アメリカでは2006年、日本では2007年公開のホリディは、それなりの興業成績を収めたが、あまり話題にはならなかったように記憶している。
2週間だけの期間限定の恋。
切なくて、優しくて、軽はずみで、恋愛映画なのに、コメディの要素も併せ持つ。
ホリディのストーリー
イギリスの新聞社で働くアイリス(ケート・ウィンスレット)は、クリスマスを前に失恋。
恋人に二股をかけられていたのだ。
一方、ロサンゼルスに住むアマンダは、映画予告を制作する会社の経営者。
プール付きの大邸宅に住み、仕事も順調、なにもかも手に入れているように見えていたが、これまた失恋。
どこか静かな場所で傷心を癒やしたい・・・とネット検索。
そこで見つけたのが、ホームエクスチェンジ。
日本では馴染みがないが、お互いの家を家財・車含めて、期限付きで交換するシステム。
今流行の民泊ではない。
見ず知らずの他人に、自分が住んでいる家を貸すのだ。
日本の感覚では、ちょっと考えられないけれど。
アイリスとアマンダは、クリスマス休暇の2週間、それぞれ相手の環境で暮らすことになる。
広々としたバブリーでモダンなアメリカの大邸宅と、ピーターラビットでも出てきそうなイギリスの小さな石造りの家。
半袖で過ごすロスと、雪深いイギリスの田舎町。
対照的な生活をしていた二人が、別世界に身を置く。
アイリスは近所の老人・アーサーが、ハリウッドで活躍していた映画の脚本家だったことを知る。
映画好きな彼女は、やがて映画音楽を手がけるマイルズ(ジャック・ブラック)とも知り合い、二人との交流の中で、自分を傷つける恋に決別していく。
またアマンダは、何もない田舎町の暮らしに6時間で飽きてしまい、もう帰ろうとしたところ、酔っ払って訪ねてきたアイリスの兄・グレアム(ジュード・ロウ)と一夜を共にしてしまう。
2週間で去る身だから、深入りはしたくない。だけどどうしようもなくグレアムに惹かれていく自分を、止められない。
さて、アイリスとアマンダ、2週間後、二人はどうなっているのか。
気軽で楽しい
殺人事件もカーチェイスもホラーもない。
社会問題もおどろおどろしい要素もない。
軽い気持ちで楽しめる映画だ。
なんといっても登場人物が、可愛くてチャーミング。
キャメロン・ディアスの表情豊かなオーバーリアクションも、タイタニックで見せたケイト・ウィンスレットのノーブルな女性らしさも健在だ。
たった2週間で、そんなに都合よく恋ができるのか・・・って?
だって、映画だから。
それにクリスマスだし。
いいじゃない、夢があって。
アイリスとマイルズが、アーサーをサポートして、輝かしい舞台へ連れ出す場面は、ちょっとぐっとくる。
なんだかサエナイな・・・、そんな日にお勧めの一本。
12月13日のしあわせの種は、楽しい気分になる映画。