夜のとばりが降りる前

日が落ちて、夜がやってくる前のほんの一瞬、空がほんのりピンクに染まる。

夕陽の名残はあるが、燃えるような激しさは影を潜め、夕闇を受け入れる準備をしているかのよう。

よく見れば、空はピンク一色ではなく、グレーや水色やラベンダーやオレンジのタペストリー。

家々の屋根や木々はもはや色をとどめず、ただ黒いシルエットとなってそびえ立つ。

影絵の世界を横切っていくのは、家路を急ぐカラスの群れ。

 

なんて、なんて美しい星に私たちはいるのだろう・・・と、感動にも似た想いに満たされる。

夕食の支度をしながらふと目を上げただけなのに、世界はこんなにもawesome!

どんな写真家も、どんな絵描きも、どんな詩人も、この光景をこの光景のまま、伝えきることはできないかもしれない。

 

だから目に焼き付けておこう。

今日、この時、地球という星の震えるほどの美しさを。

だから心に焼き付けておこう。

今日、この時、地球という星に生きている幸運を。

だから魂に刻みつけておこう。

今日、この時、美しいと感じたことを忘れたくないから。

夕焼け

 

この記事を書いた人

Chikako

金沢市在住。バラとコーヒーとコーギーが好き。
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