金沢21世紀美術館、通称まるびぃは、兼六園と石浦神社のお向かいにあり、アクセスもよく、いつも観光客でにぎわっている。
ガラス張りなので、外周部分は中が見えるが、よく行列ができていて、混雑が苦手な私としては、あまり近づきたくない場所だ。
でも時々、とてつもなく魅力的な企画がやってくる。
チームラボ・永遠の海に浮かぶ無常の花も、そのひとつ。
お盆休み直前からスタートしたが、新聞に3日で来場者3万人…とか書いてあるのを見て、二の足を踏んでいた。
なんだろう…、閉所恐怖症というわけではないけれど、人がいっぱいいる空間は、息苦しくて辛くなる。
だが夏休みが終わり、会期終了が近づくにつれて、待ち時間ゼロだった…という声が、SNSに散見されるようになった。
ならば、満を持して(←大げさ(^^ゞ)行ってこようか…と。
バケツをひっくり返したような大雨の午後、夫と二人で出かけた。
駐車場には60分待ちの表示が出ている。
案内のおじちゃんに聞いたら、お客さんの流れ次第なので、60分かかるかもしれないし、運が良ければ20分で入れるかもしれないとのこと。
20分待つのも嫌だけどな…。
でもせっかく来たんだし、チケットはキャンセルできないので、おとなしく待つことにした。
そしたら、車がすいすい動いて、正味10分ほどで入庫できた。しかも入口の真ん前!
いやん、持ってるな~~~私。
駐車場から美術館内に入ると、すぐ企画展の入場口。
最後尾の看板を持った人が…、入り口の所にいる!
ほんとに待ち時間ゼロなんだ。
前日にネット購入したチケットは、スマホの中。(これ初めて!)
私のQRコードに係りの人が自分のスマホをかざすと、ピッ。はい、どうぞお入りください…となる。
こういう所、時代についていってないなぁ。
そして暗い会場に入ると、そこは荒ぶる海の中だった。
右から左から、しぶきを上げて波が襲い掛かってくる。
…もちろん全部映像なんだけれど、すごい迫力。
鏡がいっぱい使われていて、空間が何倍にも広く感じられる。
遥か彼方まで広がる大海原。
海に飲みこまれていく…。
ここにヨガマットを敷いて瞑想したいなぁ🧘♂️。
波の広間を抜けると、そこはお花畑だった。
蕾が膨らんで、あでやかな花が咲き、やがて散っていく。
色とりどりの花々のサイクルが幻想的に描かれる。
思わず壁に触ってしまう人続出だ。
次の部屋は、水墨画の世界。
お習字の筆で書いたような黒い線が、細くなり、太くなり、ふくらみ、滲み、回転し…。
奥行きがあって、とても立体的。
でもなんだか既視感がある…。
あ、あれだ。映画メッセージで、同じ言語を持たない宇宙からの来訪者とコミュニケーションをとろうとして、こういう立体的な線の画を使っていた。
(映画メッセージより)
場所を移してA会場は、光のボールの海だった。
無数の光のボールが、緩急をつけながら、くるくる回る。
そして色がどんどん変わっていく。
自分がどこにいるのか忘れてしまうような不思議な空間。
光の洪水に溺れそう。
まるで異世界に迷い込んだような時間だった。
デジタルアートの可能性って無限大。
この分野の未来がとても楽しみになる企画展だった。
会期は9月1日まで。あと2日!