お隣福井県に苔寺があると聞いた。
木々の合間から降り注ぐ陽光を受け、緑に輝くグラデーション。
しっとりした苔の絨毯、ちょとモヤがかかっちゃったりして…、いいねぇ。
ということで、日曜日の昼下がり、行ってみることにした。
平泉寺白山神社の歴史
平泉寺白山神社と、寺であり神社であるのは不思議だが、これは明治時代の神仏分離令の名残と思われる。
その昔、神社と寺は切っても切れない近しい関係にあり、同じ敷地に同居していることも多かった。
八百万の神と仏は、けっこう仲良しだったのだろう。
平泉寺は、養老元年(717年)、泰澄によって開かれた古刹。
一時期は8000人を抱える、巨大な宗教都市を形成していた。
政教分離がなされていなかった時代、政治にも首を突っ込んで、あっちについたり、こっちについたり、戦にも参加し、越前一向一揆で全山焼失など、けっこう血なまぐさい歴史がある。
霊峰白山の管理権や入山料徴収の利権をめぐって、白山比咩神社と1543年からずっと揉めていた。
1743年に、江戸幕府寺社奉行の裁定で、白山頂上の祭祀権を得て決着。
煩悩をそぎ落とし、神に仕えて生きる者といえど、結局欲には勝てないということか…。😅
平泉寺白山神社の基本情報
-
住所
福井県勝山市平泉寺町平泉寺56-63アクセス
えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅から勝山市コミュニティバス平泉寺線で16~30分、平泉寺神社前下車、徒歩10分福井北IC、丸岡ICから、約35分。 -
TEL
0779-88-1591 -
営業時間(開催期間)
通年(庭園は4~11月中旬)
見学自由(旧玄成院庭園の団体見学は要予約) -
定休日
無休、庭園は期間中積雪時 -
駐車場
あり/50台 無料
写真で巡る平泉寺白山神社
では散策してみよう。
健脚具合によって、幾通りかのルートがあるが、私は最短コースで。
古い石段、いったいいつの時代の物なのか。
いったいどんな人たちが積み上げたのか。
手水口は龍。
鳥居のお出迎え。
うっそうと茂る木々。雄々しい…、でもその足元には。
苔の中から杉の赤ちゃん。
さすが苔寺。灯籠まで苔むして。
こういう佇まいにワビサビを感じるのが、日本人特有の美意識。(…だと思う)
緑の中の紅一点。
静寂の中、ただただ在る御手洗の池。
自然と敬虔な気持ちになる。
泰澄お手植えのご神木。齢にして1300歳?
拝殿の後ろに隠れている本社。
忘れ去られたかのように、ひっそりと佇む。
狛犬に守られて。
木漏れ日がシャワーのように降り注ぐ。
苔寺が一番美しのは、梅雨明け頃とされる。
元々カンカン照りが苦手なコケ類。
たっぷり雨を浴びた後にこそ、瑞々しく輝くのだろう。
10月初旬でも十分に美しいと思ったが、最盛期にまたこの静謐な空気に触れにこよう。