職場の駐車場に隣接して、農業用水がある。
幅にして70センチくらいの細い用水。
住宅街の中に畑やブドウ園が点在するのどかな地域で、利用している人も多いと思う。
だが雨が降ると、上流から様々な物が流れてくる。
一番多いのは雑草や枝の類だが、ビニール袋や空き缶やマスクや、ひどい時になると古タイヤも!
そしてちょうど用水が二股に分かれた場所に、引っかかる。
水の流れが速いので、小さなゴミならそのまままた流れていくが、草に枝が、枝にレジ袋が重なる感じで堆積すると、もういけませぬ。
水がせき止めら、吹き溜まりになる。
泥までたまって、ちょっとした島だ。
駐車場の草むしりをしていて、その島と澱みがとても気になった。
用水自体は用水管理組合、用水沿いの幅1メートルの土地は自治体が管理している。
だから私たちの管轄ではないのだけれど…。
この水の流れの悪さは、いろんなものやことに反映されているように思えてならない。
すべては相似形だから。
駐車場の表面(見える所)はきれいになったけれど、用水の中(見えづらい所)がこれでは…。
水というものは、澱ませてはいけないのだ。
用水の淵にしゃがんで、溜まったゴミを火ばさみで引っ張ってみた。
枝や軽いゴミは簡単に取れたが、根がついたまま流れてきた植物は、水を吸って重くて無理。
これは…。
長靴とスコップを自宅から持ってきた。
水深は10センチほど。
恐るるに足らず。
ジャブジャブ中に入って、根こそぎ引き上げた。
重いけれど根を張っているわけではないので、あっさり除去できる。
濡れたゴミをしばらく放置して、水を抜き、小さく裁断してごみ袋に詰めた。
ここで役に立ったのが、刈込みばさみ。
情け容赦なくザクザク裁断できる。
用途は違うが、使えるものはなんでも使おう。
45リットルの袋2個分のゴミが取り除かれると、水が途端にサラサラ流れ始めた。
そう、小川はこうでなくっちゃ!
生活で直面する様々な詰まりは、思考や感情の詰まりにリンクする。
水の詰まり、モノの詰まり、車の詰まり(渋滞)、人の詰まり(通勤ラッシュ😅)、人間関係の詰まり…。
この用水路みたいに、すべてが素直に流れていけば、生きるのはもっとラクになるよね。
でも掃除をしたからといって、なにか劇的な変化が起こるという期待はしない。
きれいにしたいと思って、実行できた、ただそれだけ。
サラサラ流れる小川は、見ていて気持ちがいい。
軽やかですっきりする。
私たちの体も8割は水。
水同士が呼応するのかもしれない。