原作を読んでいるので、犯人をすでに知っている。
ミステリー要素の強い映画は、結末を知っていても観たいのか、そこに謎解き以上の魅力があるのかが、ポイントになる。
魅力は…、豪華な俳優陣、そしてロケをしたホテル。
主演は木村拓哉と長澤まさみ。
キムタクは何を演じてもキムタク…と批判されることもあるけれど、エンターテイメントに何を求めるかは人それぞれで、私はちょっと斜に構え、ギラギラの正義感を前面に押し出していない役どころは、キムタクにぴったりだと思うし、けっこう好きだ。
一流ホテルにだらしない長髪と着崩したスーツ、ストローでコーヒーをチューチューしながら入ってくるキムタク、その後ホテルマンに化けるため、身だしなみをびしっと整えられちゃうんだが、そのどちらも”らしい”んだから、これ、いい演技なんじゃないのかな。
長澤まさみは、海街diaryの頃から、注目している。健康的なイメージで、さわやかな清潔感がある。見ていて嫌な気持ちを起こさせない女優さんだと思う。
キャンキャンした役も上手いが、今回は、落ち着いたホテルウーマン。自分の仕事にプライドを持ち、規律正しく、誠実に、職務に励む。キリッとした表情や、きびきびとした動作が、小気味いいくらいキマッテいる。
主役の二人の脇をがっちり固めるのが、渡部篤郎、松たか子、菜々緒、笹野高文、小日向文世、生瀬勝久、前田敦子など。
見応えあるラインアップだ。
映画の舞台は、一流ホテル。
重厚な石造りの外観は多分CGだと思うが、内部のロケは、日本橋のロイヤルパークホテルが使われたと、巷では噂されている。
原作者の東野圭吾氏は、このホテルの大ファンで、ここで作品を書かれることもあるようだ。
4年くらい前まで、私が上京時によく泊まっていたのが、このホテル。
まだ新幹線が開通する前で、東京に行くには飛行機を使っていた。羽田からホテルの真横のバスセンターまで、リムジンバスで行けて、とても便利だった。
それに当時好きだった、新参者のロケ地でもある人形町に近いことも、嬉しくて。
水天宮で仔犬の頭も撫でてきたし、人形焼きも買ったよ(^^)v
そんな想い出もあるホテルがモデルとあらば、ぜひ観なければと思った。
私は、犯人を知っていても、十分に楽しめた。
雰囲気のある音楽も、なかなかよかったし。
エンドロールに明石家さんま(友情出演)と出て、場内がざわついた。
さんまさんみたいな目立つ人が、いったいどこに出演していたのか、誰も分からなかったようだ。
さんまさんを探しながら鑑賞するのも、いいかもしれない。