「僕のワンダフル・ジャーニー」は、2017年公開の「僕のワンダフル・ライフ」の続編。
少年イーサンは、熱中症になりかかっていたラブラドールの仔犬を助ける。
それがベイリー。
パパの反対を押し切って、ベイリーはイーサン家の一員となる。
イーサンとベイリーの毎日は、楽しくて、楽しくて、楽しくて。
だが犬は人間の何倍ものスピードで年をとる。
老犬になったベイリーに、やがて最期の時がやってくる。
イーサンや家族に見守られ、天国へ行く…かと思いきや、ベイリーは生まれ変わって、違う犬として新たな犬生をスタートする。
イーサンとは全くかかわりのない場所で、違う飼い主とともに、警察犬だったり家庭犬だったりの生活を送るが、ベイリーはさらに生まれ変わってイーサンの元に戻ってくる。
再会したイーサンは60代。独りで農場に住んでいた。
寂しそうなかつての主人を見て、ベイリーは一肌脱ぐことにした。
10代の頃のガールフレンド、ハンナを探し出し、農場に連れてくるのだ。
ハンナも同じように年をとり、今は独身。
あの時、伝えられなかった気持ちを、今度こそ…!
ここまでが第一作。
続編の本作は、結婚したイーサンとハンナが暮らす農場の場面から始まる。
かわいい赤ちゃんがいるけれど、これは一体誰なのか?
ハンナの息子は若くして事故死。その妻グロリアと赤ちゃんのCJが残された。
イーサンとハンナは、子育てを手伝おうとするが、それを過度な干渉と嫌がるグロリアは、CJを連れて出て行ってしまう。
悲嘆にくれるハンナ。
やがてベイリーは、また年をとり、何度目かの死を迎える。
涙ながらにイーサンは、ベイリーに頼みごとをする。
今度生まれ変わってきたら、どうかCJを助けてやってくれと。
転生を繰り返しても、ベイリーはその大切な使命を忘れない。
CJのそばで彼女を守り、慰め、導く。
本当に好きなのは誰?一番大切なのは誰?愛してくれているのは誰?
本能に忠実なベイリーには分かっていることが、CJには分からない。
もどかしい想いをベイリーは言葉に託す。
”ワン!”
犬の寿命は人より短い。犬が人より先に死ぬのは、仕方がない。
だけどその別れは辛い。
人によっては、一緒に死にたいと思うほど。
でももし、姿かたちは変わっても、愛するワンコが再び戻ってくることを知っていたなら、そこに希望の光が灯る。
悲しいけれど、きっとまた会えるよ‥と。
犬の輪廻転生にフォーカスするなんて、これは犬たちの可愛らしさもさることながら、着想の勝利だと思う。
最後にイーサンも旅立つが、金色に輝く麦畑を愛犬と走るイメージは、愛と喜びに満ちて、限りなく美しい。
いつか私も、愛してやまないロッキーと、麦畑を走ろう。
いや、ロッキーの場合は、雪原かな。
巨大なアフリカン・ボーアボールから、小さなヨークシャーテリアまで、たくさんの可愛いワンコが出てきて、犬好きには、たまらない映画。
ちなみに本作「僕のワンダフル・ジャーニー」の原題は”A dog’s journey”で、前作「僕のワンダフル・ライフ」は”A dog’s purpose”。
邦題を”ワンダフル”で統一したのは、ワンコとかワン!にかけているのかな、誰も突っ込まないけれど。(^^ゞ