きのう何食べたは、モーニングで2007年から連載開始、現在に至る超ロングランの漫画だ。
主人公はシロさんとケンジ。
シロさんは弁護士でケンジは美容師。
同棲中の同性カップル。
・・・が、ボーイズラブ的なエロチックな描写はなく、二人の生活者としての日常が淡々と描かれている。
たとえば、スーパーのチラシを見て、特売の低脂肪乳を買いに行くとか・・・。
そして毎回、シロさんが作る料理が、何ページにもわたって紹介される。(時々、同僚や友人や母親の料理も)
男の料理というと、小洒落た食材で作る気取った料理を思い浮かべるかもしれないが、さにあらず。
シロさんの料理は、生活者の料理だ。
主菜、副菜、汁物を、バランス良く組み立て、同時進行で調理する、お母さんの料理みたいな感じ。
読んでいて楽しいだけでなく、私たちもすぐに真似ができる。
©よしながふみ
佳代子さんのたこ飯
・・・と言いつつシロさんではなく、佳代子さんのレシピの紹介。
佳代子さんは同じ町内に住む、シロさんより10歳くらい年上の主婦。
ある日、近所のスーパーの前でばったり出会った。
二人とも、スイカを買いたかったが、丸々1個は必要なかったため、初対面であるにもかかわらず、半分こすることにした。
それから佳代子さんと夫の富永さん、その娘・ミチルも交え、家族ぐるみの付き合いが始まる。
富永さんとミチルのズケズケとした物言いと、その失礼さに青くなる佳代子さんの対比が面白い。
富永一家は、ケンジの存在を知っていたが、実際に会うのはシロさんと知り合ってから12年後となる。
やっとケンジに会える!・・・と喜んだ佳代子さんが作ったおもてなし料理のひとつが、たこ飯。
©よしながふみ
佳代子さんのたこ飯のレシピ
材料は米とゆでだごとショウガ。
米2合につき、タコは150gくらい。タコは薄切り、ショウガは千切りにする。
タコ、米、醤油大さじ2、酒大さじ2、お出汁を炊飯器に入れ、普通に炊く。
炊き上がったら、千切りしたショウガを混ぜる。
たったこれだけ。
ショウガがきいていて、大変美味しい。
忙しい主婦の味方のたこ飯レシピだ。
佳代子さんのたこ飯は、単行本16巻に収録されているよ。
©よしながふみ