12月の1日から25日まで、カレンダーをめくって、毎日、ひとつずつお菓子やおもちゃを集めていくアドベントカレンダー。
私も毎日ひとつずつ、幸せの種を数えています。
December 8
装うことに、私はけっこう無頓着だ。
これは好き、これは着たくない・・・くらいの基準はあるが、コーディネートを考えたり、お店を見て回ったりすることに、あまりときめきを感じない。
この冬、新しいニットが欲しいと思えばショッピングに行くが、絶対の1枚を探すほどの情熱はない。
そんな私が、生まれて初めて、オーダーメイドに手を出すことになった。
きっかけはお洒落なプロ集団、chant_de_coccinelle(コクシネル)。
印象美プロデューサーの小西敦子さんとデザイナーの木場紳匠郎さんとテーラーの星芳宏さんの3人組。
なんというか・・・絶対に追いつけない、圧倒的なセンスとプロのプライドをまとっている。
まあ、ただ格好いい人たちだけであったなら、私はきっとオーダーメイドに惹かれなかっただろう。
先月、3人と面談した時、いろいろな話の中から、それこそ幼少期の思い出や好きなアニメや現在の懸案事項まで、時系列ガン無視でポンポン飛び出す話の中から、出てきたテーマは「今後10年を楽しく生きるための制服」だった。
この年になって制服!
心臓がトクンと跳ねた。
仕事用のユニフォームとはまた違う。
私の定番であり、袖を通せば、”私”のスイッチが入る・・・、そんな服。
たくさんの人のためではなく、私1人のためにテーマを決め、デザインし、生地を選び、仕立て、私の身体にぴったりあうよう微調整した服。
”私”の表現の一部となる服。
まさに私だけの1着。
今年はコロナのこともあり、なかなかにしんどい年だった。
だけど新しく来るという風の時代を、飄々と笑いながら生きるための制服を、作ろう!
今はテーマ決め、採寸、デザインを経て、仮縫いの課程。
仮縫いも人生初だった。
この白っぽい服は、シーチングという仮縫い用のドレス。
シーチングで、シルエットやサイズをチェックすることを、トワルを組むと言うそうな。
ここで微調整をしてから、型紙を起こし、ドレスの生地を裁つ。
肩幅を縮め、襟ぐりを広げ、袖のギャザーを減らし、お腹のタックをつまむ。
実際にシーチングにはさみを入れて、その場でピン止めしていく。
私の身体にミリ単位であわせていく作業。
まさに魔法の手だ!
自分自身でさえ、自分の身体にこんなにしっかり寄り添ったことはないのでは・・・と思えるほど丁寧な仕事だった。
歩いた時のスカートの揺れまで計算にいれる。
選んだ生地は、オールシーズンOKな落ち着いたパープル。
春ならすみれ色、秋なら葡萄色ね・・・と小西さん。
実はこれは紳士服の生地で、乗馬に使えるほど丈夫なのに、とても柔らかい。
きっと美しいドレープが出るだろう。
私の制服が完成するのは、1ヶ月後。
娘の卒業式でお披露目かなぁ・・・。
なんて楽しみなんだろう!
帰りにいただいた、心づくしのお土産。
なんだと思う?
Ingenious Blue。クローゼットのためのフレグランス。
白い小鳥にフレグランスを垂らすと、ブルーになるんだって。
こういうセンスは、本当にもう、逆立ちしたって、かなわない。
すぐに使ってもいいと言われたけれど、制服が来るまで待とう。
鳥がブルーに変わる課程は、また別記事で。
(photo by A.Konishi and S.Kiba)