私がまだずーーーーーーーーっと若かった頃、お花見や紅葉狩りに行く人の気が知れん・・・と思っていました。
満開の桜や見事な紅葉、確かにきれいだとは思いますが、普段、花や草木にたいして興味もないのに、こんな時だけ大挙して見に行くのは、どうよ?・・・と。
若かったね~~~。
今なら分かるよ。
毎年巡ってくるとはいえ、1年に1度の美しい艶姿。
普段、花や草木にたいして興味がなくても、人はその生命の輝きをただ見たいのです。
誰だって、美しい物は見たい・・・、ただそれだけ。
なにかに到達したり達成したりする目的はありません。
桜の下を歩くこと、自然の美しさに浸ること、四季の移り変わりを感じること、それ自体が目的なのです。
金沢も開花宣言からほんの数日で、満開となりました。
こんなに早かったっけ?
でも満開になっちゃったんなら、行ってこなくちゃ!
・・・ということで、兼六園に向かいました。
平日だというのに、兼六園の周辺道路は大混雑。
そうそう、みんな見たいのよね~~、日本三名園の桜。
なんとかコインパーキングに空きを見つけ、すかさずピットイン。
では、ご堪能ください、石川県が誇る兼六園の桜を!
園内の曲水を覆うピンクの空。
今はピンクですが、5月になると、花菖蒲で紫に染まります。
根上がりの松の背景も、ピンク一色。
桜はないけれど、日本武尊の銅像。
銅像・・・といえば、鳥の落とし物で汚れているものですが、兼六園の日本武尊には鳥が近づきません。
精銅の技術がまだ未熟だった頃の作品なので、ヒ素や鉛の含有率が高いのが原因だそうです。
ピンクの帯は、小さな花の集まり。
平和な世界は、心に平和を持つ民の集まり。
マスクをして、距離を取って歩いているけれど、本当はみんな、知らない人ともにっこり目を合せて、きれいね・・・と感動を分かち合いたいのでは?
随所に残る石垣に、歴史を感じます。
なんたって前身の蓮池庭は、1676年(延宝4年)に造園されたというのですから、350年近く経っています。
霞が池の向こうに唐崎の松。
大学生4人のグループが近くにいて、そのうちの1人が「ただの池じゃん!」と言い放ち、大人げないけど、むっとしました。
池は池でも、350年前の池ねんぞ!・・・と教えてあげたかったな。
こういうのも郷土愛と言うのでしょうか。(o^^o)
池の上に張り出した唐崎の松は、冬の雪吊りでも知られています。
雪の重みで枝が折れないように、縄で補強するのですが、その幾何学模様が美しいと評判です。
シャッタースポット、ことじ灯籠。
通常ならば、撮影待ちの人で近寄れませんが、今日は楽勝。(横からですが)
では桂坂口から、金沢城公園方面へ向かいましょう。
兼六園を出たら、目の前にどーーーーん!
石川門です。
門の向こうは、金沢城公園として整備されています。
その昔、金沢大学は城壁の中にありました。
お城へ通学って、素敵ですよね。
石川門へと続く橋の下は、幹線道路。
ピンクの道を走るドライバーも、多少、渋滞してくれたほうが、内心嬉しいかも・・・。
兼六園は無料開放中でしたが、例年より、人出は少ないと思いました。
地元民に混じって、県外から遊びに来てくれた人の姿もちらほら。
桜の下を歩く人たちは、総じて穏やかな優しい表情をしていました。
美しいものは心を和ませてくれます。
こんな夢みたいに美しいピンクの世界で、プリプリ怒ってなんていられませんからね。
笑顔っていいね。和やかっていいね。春っていいね。
ブログ仲間のさわこさんも、兼六園の桜をレポートしています。
→さわこさんのブログ