私は乗り物が好き。
飛行機も電車も車も。
車の運転も好きだが、それはせいぜい1時間半圏内で、長距離ドライブはちょっと自信がない。
でも片道3時間半の遠出をしちゃったの!
無理はせずゆっくり行こうと決めていたので、進路上のサービスエリアは全部寄った。
だいたい50分に1回、休憩していたことになるだろうか。
3時間30分かけて着いた先で出迎えてくれたのは…。
キジトラのエルちゃん。
めっちゃ人懐っこい。
名前を呼ぶと、返事をしてくれることもあるそうだ。
青空号もお疲れさま。
本当に君は頼りになるよき相棒だよ。
ここは岐阜県養老町の船戸クリニック統合医療センター。
本日のお目当ては、船戸博子先生の『冬の養生講座、薬膳ランチ付』。
ねえ、知ってた?
冬はダイエットなんかしちゃいけないって。
コロコロになっておけばいいんです…と、博子先生はコロコロ笑う。
冬は静かに内を見つめる季節。
活動を減らし”気”を蓄えるために、ひそやかにゆっくり暮らすといいのだとか。
しっかりためた”気”が、春の訪れとともにふわっと花開く。
冬は腎が働く季節でもある。
腎がよく働けるように、腰を冷やさず、ぐっすり眠り、ダイエットはしないこと。
積極的に食べたらいいのは、黒い食べ物(黒ごま、黒きくらげ、黒豆、昆布、シジミなど)。
そして体を温める食べ物(羊肉、かぼちゃ、くるみなど)。
さらに体を温める飲み物(シナモン茶、杜仲茶など)。
身体は”気”の乗り物。
この”気”とは、すなわちエネルギー。
気が足りないと、皮膚がたるみ、内臓が下垂し、眠気がきて、手足が冷えるんだって。怖いね。
食事と食養と食療と薬膳の違いなんかも、教えてもらった。
食事は、健康な人がお腹空いたーーー!と食べるもの。
食養は、健康な人が目的を持って食べるもの。
たとえば、色白になりたいからハト麦…みたいな。
食療は、ちょっと病気の人が、目的を持って食べるもの。
イボを取りたいからハト麦を摂る…みたいな。
そして薬膳は、健康な人と病気の人どちらもが、その人の性質にあった食材を、その人にあった調理法で食べるもの。
ガンになったからと、一律に人参ジュースを飲むのは、薬膳とは言えない。
人参があう人もいれば、あわない人もいるのだから。
朝鮮人参やクコの実がはいっていれば薬膳…というのも、厳密には違う。
薬膳は、あくまでも”貴方のためのご飯”でとてもパーソナルなもの。
漢方医と患者が1対1のガチンコで創り出していくものなのだ。
そんな真面目なお話の途中にワンコが乱入してきた。
この自由さがたまらないね。
そしてお待ちかねの薬膳ランチ。
薬膳はパーソナルという話を聞いた直後だが、複数人が集まるイベントなので、まあ、そう硬いこと言わないで…。(^^ゞ
フナクリ食堂にずらっと並んだ薬膳料理。
青々したレタスは裏の畑から。
蒸したレンコンをニンニクと醤油で。
卵は玄関前で飼われているニワトリさんたちから。
腐竹は、中国の湯葉。不思議な食感。
鶏のレバーと銀杏。
豆腐の仲間(正式名称を聞きそびれた)と黒きくらげと金針菜(ゆりの花)の炒め物。
金針菜は貧血の特効薬。
黒いクコの実(クコの原種)の戻し汁で炊いたアサリ。
梅干菜メイガンツァイ。塩豚と梅肉と松の実。
塩豚は、蒸したり、焼いたり、寝かせたりと、何段階ものプロセスを経ていて、ひじょうに手間がかかっている。
朝鮮人参で煮込んだゴボウ。
デザート2種。
腎の働きを助ける食材が、いっぱい使われている。
老化を予防してくれる腎、大切にしないとね。
どのお料理も手が込んでいて、とても美味しかった。
参加者同士のおしゃべりが弾んだのも、目から口から体の中から存分に満足したからかもしれない。
美味しいものを、美味しいねと言いながら、楽しんで食べる…これがなによりの食養生だと私は思う。
仕事を終えてリラックスタイムの一コマ。
遊んで~~とすり寄ってくるワンコに、この甘えんぼめ!…と満更でもなさそうな博子先生。