人は食べた物でできている。
私たちの体は37兆個の細胞からなる。
以前は60兆個と言われてきたが、最近の研究でアップデートされ、人気アニメ【働く細胞】の主題歌も37兆個を採用している。
いずれにしても、たくさんの細胞があるということだ。
そのたくさんの細胞たちは、私たちが日々摂取する食べ物が原材料。
だから37兆個が元気でいるために、何を食べるかがとても大切となる。
船戸クリニックの漢方医・船戸博子先生は、「薬も大事だけれど、毎日のご飯はもっと大事」と説く。
そうだよね、病んでしまう前に細胞たちを元気にするご飯を食べるほうが、きっと体も嬉しいよね。
船戸クリニックのパッファエイメで提供している、宿泊者のためのおくすりなご飯を、ほんの一部だけご紹介。💕
2024年3月1日のおくすりなご飯
木の香りに思わずうっとりするパッファエイメ。
中に入ると、一枚板のテーブルの上にこんな設えが。
巻物は、この日のメニュー。
シェフが毎日、手書きで準備してくれる。
メニューを見ながら漢方のお茶を飲み、待っている時間も、また愉し。
昨年12月にオープンしたパッファエイメは、インテリアも徐々に充実して、とても居心地のよい空間に育っている。
まずは丸ごとの鮎が出てきた。
【板取川の天然鮎のコンフィとそばパン、ザワークラウト】
板取川は、岐阜県関市を流れる木曽川水系の一級河川。
ここから50キロくらい離れているけれど、まあ、ご近所といえばご近所。
鮎は100℃のオーブンで3時間かけて焼いていて、もちろん骨まで柔らかい。
付け合わせのそばパンがしっとりしていて、大好評だった。
二皿目は【ラザニア】。
こんがり香ばしくて、口の中でサクサクと小気味のいい音をたてる。
柔らかい味わいのミートソースとあっさりしたチーズが、主役の座を仲良く半分こ。
ラザニアは重いというイメージだけれど、するする入っていった。
私は食が細いので、これは通常の半分くらいのポーション。
減らしてもらわなくても大丈夫だったかもしれない。
赤と黄色のトマトは、ただの湯むきトマトではなく、ほんのり酸っぱい味がついていた。
女子たちから、思わず歓声が上がった。
【自家製チャーシューのパイナップルチャーハン】
自家製のチャーシューはしっかり味が沁みていて、パイナップルの甘酸っぱさと絶妙のハーモニーを奏でる。
誰がチャーハンにパイナップルを入れようなんて、思いつく?
発想力の勝利だね。
桜と菜の花ーーー! 春爛漫な〆の一皿。
【水キムチの冷めん】。
シンプルに見えるけれど、恐ろしく手がかかっている。
まずスープの部分は、ねぎ、タマネギ、リンゴ、生姜、ニンニク、大根、白菜などを混ぜ合わせ、じっくり丁寧に作った発酵酢。
お酢だけど、ツーンとくるお酢ではなく、まろやかで優しい。
キムチの辛さが、きゅっと全体を引き締める。
お豆腐も、たぶん自家製。
上に乗っている棒は、名前を忘れちゃったけれど、納豆の味がする。
デザートは【透明レモンタルト】。
シェフ自ら運んできてくれたのだけれど、タルトの表面がプルプル揺れている。
なんでかと言うと・・・。
こういうこと。
透明のレモンゼリーが揺れていたのだ。
サクサクのクラスト部分もレモンの味がして、ホッペが落ちる・・・なんてありきたりの言葉じゃ、表現できない。
この日のシェフは西村祐子さん。(シェフも日替わり)
「みなさんに食べてもらうことを考えながら作りました。とても楽しかった!」
相手のことを考えながら作る料理。それはもう料理という名の愛情に他ならない。
祐子シェフは、魂の仕事をしている人だとつくづく思う。
デザートのアイディアは、お風呂に入っている時に、突然ひらめいたとのこと。(・・・つまり降りてきたってことね)
ちなみに料理は労働だと思っていた私に、料理は愛だと教えてくれたのは本道佳子シェフ。
今はバヌアツの大使館付きシェフとして活躍しているよ。
以上、2024年3月1日のレポートでした。🍵