鳥の声がふりそそぐ。
素早い動きにカメラは追いつかないが、にぎやかな声に彼らも春を謳歌しているんだなぁ…と感じる。
この春の佳き日に、ここ船戸クリニックでは、陶芸家・伊集院真理子さんの作品展が行われている。
素朴で温かみのある土鍋は、最高においしいご飯を炊き上げると評判だ。
その伊集院さんの土鍋と器を使い、船戸クリニックの名物シェフ・西村祐子さんが料理をする、夢のコラボが実現した。
伊集院真理子さんの土鍋を楽しむ会
会場はvillacampoのお隣、パッファエイメ。
部屋に入ってまず目にしたのは、無垢の一枚板のテーブルにずらっと並んだ土鍋。
カラフルな土鍋、あの中にはいったいどんな料理が?…期待が膨れ上がるのを誰も止められない。
シェフがひとつずつ蓋をあけていく度に、歓声が上がり、シャッター音が止まらない。
では土鍋の中身を上から順にご紹介。
【蒸し野菜】
アスパラ、筍、ブロッコリー、豆、ぜんまいが、ほわほわ湯気をあげている。
春らんまんなスターターだ。
【パプリカとブリ】
パプリカの中に、ブリとトマトがお行儀よく収まっている。
ブリの上には豆鼓(とうち)。
豆鼓とは、黒豆に塩を加えて発酵させた中華の調味料で、塩みがかなり強い。
目にも美味しい蒸し料理。
【豚肉の煮込み】
豚ロースの大きな塊に下味をつけ、一晩寝かせる。
土鍋に水を1㎝ほど張り、肉を入れて加熱。沸騰したらとろ火にして20分…って言ってたかな。
鍋の性能に助けられたとはシェフの談。
トッピングはタンポポの葉とみかんの皮。
お肉がびっくりするくらい柔らかく、箸で簡単にほぐれる。特にソースなどは不要で、そのままパクパク食べるといい。
【春雨しゅうまい】
「きゃ~~可愛い💕」の大合唱。
鶏とエビのミンチにお米とナバナを足した種をまあるく成形して、周りに短く切った春雨をまぶし、蒸し上げる。
蒸す過程で、春雨がちょうどいい硬さに戻る。
映えるけれど、見た目ほど難しくないので、パーティなどにおすすめとのこと。
【ふきと揚げの煮物】
ふきって、すごく手がかかるんだよね。でも美味しいから食べたい。
労力を惜しんでいては、美味しい物にはありつけないということか。
揚げにいい出汁が染みていて、日本人なら誰もがお代わりしちゃうこと必至。
【うずらの巣ごもり】
千切りキャベツのベッドに、うずらの卵ちゃんたちがすやすや眠っている。
隠し味はチーズ。
野菜とタンパク質だから、ヘルシーだよね。
あ…、これはもしかしたら、私でも作れるかも。
【紅茶粥】
レモンに覆われたこの鍋が、まさかお粥だなんて、誰が想像できる?
しかも緑茶じゃなくて、紅茶!
なんて柔軟な発想。
オリーブの塩辛さが、いいアクセントになっていた。
【花ゼリー】
お庭で積んできた花がいっぱい散らしてある、華やかなゼリー。
ゼリーはエルダーフラワー。
エルダーフラワーは、風邪予防や美肌、デトックス、リラックスなどに効果があるハーブ。
よくドリンクとして供される。
あっさりしていて、ほのかに甘く、すごく好き💕
右から【いちごのコンポート】、【豆乳プリン】、【クローバーケーキ】
豆乳プリンにいちごのコンポートを添えていただく、しあわせ💕
土鍋でこんなにきれいなプリンができるなんて、知らなかった。
クローバーケーキは、庭から摘んできたクローバーを使っている。もちもちして、ケーキというよりは、蒸しパンに近い。
デザートが4品もあって、うれしい。
箸やすめの【冷めん】。
三つ葉と水キムチが入っていて、スープはちょっと酸っぱい。
菜の花の黄色が、かわいい。
土鍋の実力
今回の料理は、冷めん以外、すべて伊集院真理子さんの土鍋で調理している。
土鍋の可能性を見せつける食事会でもあった。
西村シェフは、こんなに何品も時間内に作れるだろうか…と案じていたけれど、土鍋がいい仕事をしてくれたので、思いのほかサクサク捗ったと話していた。
伊集院さんの土鍋については、方々からその噂を聞いている。
可愛いだけでなく、かなりの実力者だと。
こんなに色々な料理ができるなら、私もトライしてみたいなと、一人用の小鍋を買ってみた。
まずは炊飯から始めてみよう。
取り皿も伊集院さんの器。土鍋とお揃いの柄もあるよ。
以上、2024年4月12日のおくすりなごはん(伊集院真理子さんの土鍋を楽しむ会)のレポートでした。🍲