そこで生まれたわけじゃない。
そこで育ったわけじゃない。
そこで暮らしたことがあるわけでもない。
それなのに、なぜか「ただいま」と言いたくなる場所がある。
まるで実家みたいだと表現した人もいた。(実家の定義は人それぞれだけど)
安心して、全身の力を抜ける場所。
担う役割や懸案事項を放棄して、外用の顔も外し、素の自分でいられる場所。
リラックスして深呼吸、右を向いても左を向いても、気持ちがいいーーーと思える場所。
そんな場所を確保している人は、しあわせだと思う。
2カ月ぶりに訪れた船戸クリニックのヴィラカンポ。
春まだ浅き頃とは様子が一変していた。
ここの植物は、みな生育が速い。
ハーブも野菜も花も樹木も、ボルテックスのエネルギーを受けて、もりもり大きくなるようだ。
植物が生命力に満ちている。
陽の光を浴びて、全身で喜びを表現しているかのよう。
この場所に立つと、ほっとする。
ここはクリニック。
病気の人が来るところ。
だけどそれだけにとどまらず、ちょっと疲れた人や、リラックスしたい人や、エネルギー補給したい人も集まってくる。
伊吹山を臨み、田んぼと幹線道路に挟まれた敷地には、西洋医学の診療棟、統合医療センター、デイサービス、訪問看護オフィス、薬局、薬膳料理のカフェ、ダマヌールサーキット、薬草とハーブの庭、宿泊施設があり、さまざまなニーズに対応している。
基礎疾患で受診している患者さんもいれば、長逗留して漢方やセラピーや食養生でガンに向き合っている患者さんもいる。
病気の人も未病の人も元気な人も、ここではみんな平等…そんな空気感。
私が主にお世話になっているのは、漢方外来とセラピー施設、そして宿泊施設のヴィラカンポ。
ダマヌールサーキットを歩いたり、お庭で花の写真を撮ったり、カフェで愛情こもったお料理をいただいたりする時間の、なんと贅沢で麗しいことか!
ヴィラカンポはもうすぐ2周年。
そんなに足繁く通えるわけでもないけれど、すでに私の中では「ただいま」がしっくりくる場所になっている。
場の氣が高いのはもちろんのこと、そこで働く人たちがみなイキイキしていて、その波動がなんとも心地よい。
働くことは、楽しいことばかりじゃない。
どんなによい職場でも、多かれ少なかれ何かしらストレス要因になることはあるだろう。
それでもみんな元気で明るくて優しいのだ。
その波動は、押さえていても周囲に滲みだし、訪れる人たちをしあわせな空気で包んでいく。
今回はみそ部(味噌作りを通じて、豊かでしあわせになる部活)とその友人と我が娘が一緒。
医療に従事する娘に、こんな医療の在り方を知ってほしいなぁと常々思っていたのが、やっと叶った。
まだ新人の娘の目に、船戸クリニックはどう映ったかなぁ。
ヘンナちゃんも元気だったよ。