『手放し難きを手放せば、得るべきを得る。』老子の言葉。
これまでたくさんのモノを手放してきて、人生には手放せないモノなどない…と知った。
手放せない…と思っているのは自分だけ。
人は裸で生まれてきて、裸で死んでいく。
この世でどんなモノを手に入れたとしても、持っていくことはできない。
それはモノでも、コトでも、ヒトでも同じ。
これだけは手放せないとしがみついていた職を手放した時、そこには別れがあった。
痛みを伴う別れだった。
立ち直りに時間を要したものの、ああ、こんな大切なモノすら人は手放せるのだ…と感慨深かった。
時間とともに、人は変わる。
身を置く環境も人間関係も、おのずと変わっていく。
先週、ひとつの別れが訪れた。
まったくもって望んでいない別れだった。
引き留めておきたい気持ちはとてもとても大きかったが、相手の幸せを考えた時、仕方がないと思った。
去っていく後ろ姿がいとおしかった。
手放し難き存在が、行ってしまった。
得るべきを得るなんて、今はとても思えないけれど、どこにいても貴女が幸せで笑っていることを祈っている。
永遠などない…と知っている。
人生に別れはつきものだ。
でも、やっぱり痛いなぁ…。