日本で手配したオプショナルツアーのひとつが、ホルメン島のレストラン・コーネリアス。
ベルゲンから30分ほどフェリーに乗る。
あまり切り立ってはいないけれど、一応、フィヨルドの一部みたいな水路を行く。
なかなかのお値段と、口コミが見事に両極端に分かれているのとで、すごく迷ったのだけれど、「行ってみたい」の声に後押しされて予約してみた。
フェリーに乗って向かうレストラン
船着き場は、ホテルの目の前、歩いてものの30秒。
こういうの便利だ。

今度はいい席ゲット。いってきま~~す💕と、はしゃいでいる。

悦びが隠しきれない。ワクワクするね。

離島のレストランに、接岸する。
デッキから建物までの間に生簀があって、ホタテや牡蠣がいっぱい。
フレッシュシーフードと書いてあったけど、これは期待できるのでは?
案内されたテーブルで、まずはシャンパンをオーダー。

アルコールに弱いYasuyoちゃんは、ちょっとだけね。

かんぱ~~い🍷
私たちのテーブルについてくれたのはハッサン。
にこやかで愛想はいいが、マシンガン並の早口で、聞き取れない! ちょっと待って、もう少しゆっくり。

お天気がよければ、デッキで食事もできるはず。
コーネリアスの5品コースディナー

1皿目は、クジラのタルタル。
今日は珍しくクジラが入ったから・・・とハッサン。
でもクジラって、竜田揚げにするもんじゃないの?
生で食べて、大丈夫なんだろうか・・・と、鮨と刺身の国からきた私が心配する。😅
恐る恐る口に運ぶと、マグロのタタキとあまり変わらなかった。

2皿目は、ホタテのグリル。
さっき生簀にいた子かしら・・・。
ハーブが効いている。

ご飯が美味しいとお酒も進む。酔っ払い2丁、できあがり!

自分のペースで淡々と飲むSekoちゃん。赤いお召し物が素敵。

3皿目。これはなんだったかな・・・。
みんなに聞いてみるも、誰も答えられない。人の記憶のあやふやさよ。😅
あの夜の消えそうな記憶を必死にたぐり寄せると、海藻のせんべいの下にキヌアか米粒状のパスタがあったような。

4皿目がメインのお魚。鱈かな。
実は口コミが二分した理由は、味付け。
素晴らしい、最高と絶賛する人と、塩辛くて食べられないと逆の評価をする人と。
私たちの中でも意見は分かれた。
薄味に慣れた舌には、やはり塩味が強すぎたようだ。
私? ほぼ美味しくいただいたけれど、メインのお魚はもう少し塩味控えめでもよかったかな。
お食事は、事前の期待値、レストランに行く道筋、店の雰囲気、スタッフの対応、お料理、コスパ、その全ての総合的な体験だ。
ベルゲン滞在を締めくくる、思い出深い夜になったことは、間違いない。

食べて、飲んで、笑って、いっぱい馬鹿話もしたけれど、真面目な話や深い話もした。
どこでもドアならぬ、どこでもセッション~~。
なんて豊かな旅なんだろう。
昨日のフィヨルドツアーとこの日の離島レストランで、私は気づいたことがある。
どちらも日本で手配したオプショナルツアーで、私が担当した。
事前に全員の意見を聞いたので、合意の上ではあるのだけれど、みんなが満足できるかどうかをずっと気にしていた。
周遊券を使ったフィヨルドツアーで私が疲れ切ってしまったのは、全ての行程が間違いなく滞りなく進むように、気を張っていたからだ。
コーネリアスでも、「楽しかった」「来て良かった」という感想を聞くまで、どこか不安だった。
なぜ何かあってもなんとかなるよと、流れに委ねられないのか。
なぜ全てがスムーズに進むことに、こんなにこだわってしまうのか。
なぜ自分が責任を負っているように感じてしまうのか。
そういえばバスや電車の乗り方が分らない時も、じっとしていられず、つい先陣切って解決に乗り出してしまう。
全力で今を味わっている仲間たちを見ていて、どうして私は次の心配ばかりしているのだろう・・・と疑問が膨れ上がってきた。
みんなが楽しめるように、不快な想いをしないようにという、それはChikaちゃんの優しさだよ・・・と言われても、それだけではない、なにかゴリッとしたものがあるような・・・。
私に必要なのは、ケセラ菌(ケセラセラを誘発する菌)なのかもしれない。

5皿目はデザート。木イチゴのムースとサッパリ系のアイスクリーム。
クローバーが乗っているのが可愛い。
5品のコースディナーを、3時間くらいかけて楽しんだ。
あとはまたフェリーの乗って、ベルゲンに帰るだけ。
面白かったのは、お客さんが乗船した後、バタバタと片づけと着替えを済ませたハッサンが、ビール片手に同じ船に乗り込んできたこと。
スタッフはホルメン島に住んでいるわけではなく、通勤しているようだ。
暗い海、波を蹴立てて、船は行く。
お腹も心も満たされて、フェリーの揺れが心地良い。
ベルゲンとは明日でお別れ。・・・名残惜しいなぁ。
→北欧の旅2025⑩へつづく