日本とアメリカの二重国籍を持つ息子、ハワイ旅行の6日前になって、アメリカのパスポートがなければ入国できないことが発覚した。
パスポート発行には、3週間かかる。
さあ、どうする?
詳しくは→二重国籍の罠① 日本とアメリカ両方の国籍を持つ人がアメリカに行く場合
臨時パスポートという手があった!
なんだかよく眠れなくて、すっきりしない朝。
10時きっかりに大使館に電話をするよう念を押して、私は仕事に行く。
どうなっただろう…と気が気じゃない。
昼休みにいったん帰宅すると、「いけるかもしれん!」と昨夜よりは明るい息子。
なんでも普通のパスポートは発行に時間がかかるが、1年間のみ有効の臨時パスポートなら、即日、発行してもらえるとのこと。
これは本来ならば本国で緊急事態が発生し、急ぎ帰国しなければいけない人のための救済措置。
だが、拡大解釈して、旅行などの場合でも、取得できるそうだ。
お…、ちょっと希望の光が見えてきた。
で、どうやって申請するの、その臨時パスポートとやらは。
まずは米国籍の証明(原本)か、過去に取得した米パスポート(期限切れでもOK)が必要。
米国籍の証明…って、あれか?
birth certificate、つまり出生証明書。
ペラペラの紙1枚だが、生まれた市町村の役場で発行してもらわなければならない。
あと5日でそれは無理。
でも大丈夫、5歳で有効期限が切れたパスポートはあるから。
あと必要なのは、DS-11という申請書、有効な身分証明書(学生証・健康保険証は不可)、パスポート用写真1枚、申請料。
IDは運転免許証、写真は領事館で撮影可能で、申請料はドルで払うが、カード決済もできる。
問題はDS-11だった。
パスポート申請書 DS-11
なにが問題って、まあ、見てちょ。
当然だけど、全部、英語なのだ。
もう時間がないので、申請は一発で通さないといけないから、見落としや間違いは許されない。
「お母さん…😢」
もう大人なんだから自分でやらせろ…と夫は言うが、これは無理やろ。
とういことで、記入を手伝うことにした。(英語は私の専門分野)
名前、住所、誕生日、出生地は言うに及ばず、身長、目や髪の色、両親の国籍や社会保障番号まで聞かれる。
ちなみにsocial security number/社会保障番号とは、日本でいうマイナンバーみたいなもの。
国民総背番号制は、アメリカではかなり昔から定着している。
(これはサンプル)
私が手伝いはしたものの、息子は近年稀にみる真剣さで、DS-11の作成にあたった。
何度も何度も見直して、最終稿をプリントアウトした。
申請は予約制
パスポートの申請は、予約制だ。
在日米国大使館・領事館のHPから、予約を入れる。
日本には東京に大使館、札幌、名古屋、大阪・神戸、福岡、沖縄に領事館がある。
このいずれかに予約を入れるのだが、どこも枠が少ない。
息子が電話で臨時パスポートのことを聞いた時、大阪・神戸領事館には、出発日までに3つの空きがあった。
(私たちは石川県在住で、出発は関空なので、大阪・神戸領事館が一番近い。)
ところが、電話を切って、すぐHPにアクセスしたのに、残りはすでに1枠。
慌てて予約を入れるも、それは旅行の出発日の朝9:15。
はあ?当日?もし何か不手際があったら、アウトじゃん。
いくら即日発行とはいっても、リスクが高い。
だが、他に選択肢はないのだ。
時々予約枠にキャンセルが出るらしいが、新たに予約を入れる場合、まず手持ちの枠をキャンセルしてからでないと、エラー表示が出る。
そのわずかな時間に、新たな枠と自分が手放した枠、両方が埋まってしまったら、それこそ本当にアウトなので、予約枠も変えられない。
こうしてヤキモキしながら週末が過ぎていった。
1日前に大阪に向けて出発
関西へ向かうサンダーバードは、大風が吹くとよく遅れるので、1日前に関西入りすることにした。
迷わないように、領事館の下見もするという。
受験生か!
不審人物と間違われないよう、気を付けてね。
パスポートの申請から取得まで、多く見積もっても2時間くらいだろう。
その足で関空に向かえば、余裕でみんなと合流できるはず。
送り出してしまった私に、もうできることはない。
…と思っていた、翌日の9:30までは。
果たして、息子はハワイに行けるのか?
(つづきます)