二重国籍の罠③ パスポート写真の赤ちゃんが本人だと証明しなければならない?!

日本とアメリカ、両方の国籍を持つ息子。

ハワイ旅行を目前にして、米国のパスポートがなければ入国できないと気づいた。

しかも出発まで6日しかない!

なんとかして、合法に出入国を果たす手立てはないか…と調べまくった結果、臨時パスポートなるものの存在を知る。

詳しくは→二重国籍の罠① 日本とアメリカ両方の国籍を持つ人がアメリカに行く場合

さらに詳しくは→二重国籍の罠② 米国の臨時パスポート取得に向けて

米国パスポートにミドルネームが入っていた!

息子は5歳で期限が切れた米国パスポートを持っている。

今回、臨時パスポートの申請にあたり、この期限切れパスポートの提出が必要となる。

分からない尽くしのなかで調べていると、パスポート記載の名前と現在の名前が違う場合、改名を証明する書類が必要という項目があった。

名前が違う…とは、つまり結婚や養子縁組などで、名前が変わることだと思うが、ひとつ気になることが。

息子の米国パスポートには、日本名がアルファベットで表記されているが、ご丁寧にもミドルネームもついている。

William。

これはビル・クリントンからもらったのではなく、出生地のロチェスターに多大なる貢献をした兄弟にちなんだ名前。

「ミドルネームどうします?」…と出産後に聞かれ、「じゃ、Williamで」…と深く考えることもなく答えた。

It's a boy!

で…、このミドルネーム、当然日本名にはないわけで、これは”名前が違う”とみなされるのか?

その場合、改名をどうやって証明すればいいのか?

周囲に相談できる人もなく、いちいち領事館とやりとりしなければならないが、領事館の問い合わせ受付は平日の10時から11時のみ。

ひじょうに不便だった。

結局、ミドルネームの存在は改名にはあたらないことが判明したが、こうやってひとつひとつ細かいことを潰していく作業に、神経がすり減った。

旅行当日の朝、パスポート申請に臨む

予約は旅行当日の朝9:15。

一発で通らなければ、全てがおじゃんだ。

前日から大阪入りして、申請に臨む息子。

「英語かな…」と心細そうだったけれど、職員はほぼバイリンガルだから、そこは心配ないよ。

私は通常通り、仕事に行った。

普段スマホは更衣室に置いていく私だが、この日は、バイブにしてポケットにしのばせたまま、業務についた。

大丈夫、大丈夫。

私にできることは何もない。もう祈ることぐらいしか…。

職場には今、受験生を持つお母さんが二人いるが、祈るしかないというのは同じだなぁ。

9:15が過ぎた。

今頃、書類を提出しているのだろうか。

9:33、私のスマホが震えた。

息子からの電話だった。

パスポートの写真が自分だと証明しなければならない

こっそり廊下に移動して電話にでる。

「お母さん、今すぐ、家に帰れる?」

「帰れるわけないじゃん。仕事中だよ。」

「え~~~?どうしよう、申請できんわ。」

どうしようじゃないよ、まったく。

「どうしたの?」

なんでも、彼が提出した期限切れのパスポートの写真が、0歳児の赤ちゃんなので、それが本人かどうかを証明しなければならないのだとか。

赤ちゃん

証明ったって、今更、どうやって?

「5歳までの写真を5~6枚と、15歳くらいまでの写真を5~6枚、写メって、送って。

できるだけ成長過程が分かるような写真で、俺に焦点を当てて。」

「いつまで?」

「今すぐ!」

なんてことだ。そんなものが必要なら、事前に明記してくれ!

あれだけ入念に準備をしたというのに。

……親ばか全開の甘い母親だと、笑わば笑え。

私は職場のスタッフに頼み込んで、40分だけ抜けさせてもらうことにした。

家までは車で10分、往復20分。残り20分で、写真を探して、写メって送る。

やってやるーーーーーー!!!!

子どもの頃の写真を10枚用意する

大急ぎで帰宅して、アルバムを引っ張り出す。

さいわい娘が帰省中で家にいたので、私が選んだ写真を、次々写メってもらった。

幼い頃の写真はたくさんあったので、正面・無帽のアップ写真をパッパと選んだ。

5~6枚でいいの?

可愛いのいっぱいあるのに…って、そんな場合じゃなかった。

子ども

苦労したのは、15歳までの5~6枚。

息子は小4くらいから反抗期が始まり、その頃から極端に写真を嫌がるようになった。

小4以降の成長がわかるような写真が、見つからない!

…というか存在しない。

だから言わんこっちゃない。反抗期もほどほどにね。

だが、ないでは済まない。

どこかになにかあるはず…と、記憶の引き出しをあさりまくる。

そういえば、京都に修学旅行に行った時の写真を、同級生のお母さんから本人には内緒でもらったはず。

それと入学式に無理やり撮った制服写真と、愛犬の写真を撮りたいから動かないように押さえててとだまして撮った1枚、そして卒業アルバム!

ロッキー

苦し紛れになんとか揃えた成長過程後半の写真5枚。

一気に息子のスマホに転送。

間に合っただろうか。…すでに領事館の予約は、次の枠の時間帯だ。

待ってもらえたのだろうか。

…だがぐずぐずしている暇はない。40分以内に戻ると約束しているのだから。

大慌てで職場に取って返した。

申請は通った…だけど発行できない

その後、待てど暮らせど連絡がない。

あの写真で事足りたのだろうか。

写真の赤ちゃんが自分だと認めてもらえたのだろうか。

そして12:15(昼休み中)、再び私のスマホが鳴った。

「あのさ…」

声の調子がいたく不機嫌。

わ、なんか嫌な予感。

「申請は通ったんだけど、機械のトラブルでパスポートが発行できないって。」

あ?

「普通は少し待てば直るらしいんだけど、今日は無理な可能性もあるって言われた。」

はあ?なにそれ!

ここまできて機械の故障?目の前がチカチカする。

息子にとっては一大事だけれど、領事館の人にとったら、単なる機械トラブル。

今日中に直らなければ、後日取りに来てね~~で済むらしい。

でもやっぱり私にできることはない。

やるべきことは全部やったんだから、あとは運を天に任せて、待つしかないね。

「分かってるよ。」…と不機嫌な声が言う。

時間

貴重な時間は刻々と過ぎる。

領事館で待つこと6時間

その後、息子は領事館で、機械のごきげんが直るのを、ただひたすらに待っていた。

連絡を待つ私も、本当に落ち着かない。

全てのことには意味がある。なるようにしかならない。

そう分かってはいるけれど、機械トラブルごときで…と思うと、悔しかった。

でも私がキリキリしても事態は変わらないので、落ち着かないなら、瞑想でもしていよう。

3:05、三たび、スマホが鳴った。

「パスポート取れたーーーーー!」。

電話口で歓喜の叫び。

ああ、よかった。膝から力が抜けた。

領事館が、機械の修理をしたのか、いつものことだから…と、ただ待っていたのかは分からない。

でもとりあえず、息子の1年間有効の臨時パスポートは発行された。

OK!

無事にハワイに向かった…らしい

ルンルンの息子は、その足で関空に向かった。

夜10時くらいの飛行機と聞いているから、かなり時間があるが、一人だけ行けないかもしれないという不安から解放され、待つことぐらい、なんでもないのだろう。

その後、LINEで「いってきます」と一言。

2冊のパスポートを使って、無事に出入国できたのだろうか。

まあ、あれから4日経って、なんの連絡もないから、問題はなかったのだろう。

…っていうか、あれだけ振り回しておいて、写真の1枚も送ってこないとは、どういうこと?

ハワイ

ひと言、言いたいんだけど。

ESTA申請を先延ばししなければ、米国パスポートが必要なことがもっと早くに分かり、こんな綱渡りをしなくても、余裕を持って対処できた。

大事なことをギリギリまで引き伸ばし、結局最後にバタバタ大騒ぎするリスクを、今回の痛い経験でよく学んでほしい。

ハワイ

だけど私は、やっぱり君がみんなとハワイに行けて嬉しいよ。

日本の外の世界を、つかの間の旅ではあるけれど、その目で見てきてほしい。

楽しい思い出をたくさん作ってきてほしい。

そして日焼けした顔で、元気でただいま…と帰ってきてくれれば、それでいい。

ハワイ

二重国籍の罠①~③、長々とお読みいただき、ありがとうございました。🤗

 

この記事を書いた人

Chikako

Chikako

金沢市在住。バラとコーヒーとコーギーが好き。
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