片づけと掃除が違うことは分かりました。
では、片づけに的を絞って考えてみましょう。
散らかりとは?
片づけは、散らかりに対処します。
散らかりとは、モノがあるべきではない場所にあることです。
それもひとつやふたつではなく、たくさん。
ソファの上、テーブルの上、下駄箱の上、固定電話の横、調理台の上、玄関先、階段のステップの上、床の上。
ちょい置きしたアレやコレが、いつの間にか放置されていませんか?
なんで爪切りがテレビの横にあるの?
なんで脱いだ靴下が、ソファの下にあるの?
なんで昨日遊んだプラレールが、床一面に広がってるの?
…ま、そんなことです。
本当は引き出しや洗濯機やおもちゃ箱にあるべきモノたちが、なぜか違う場所に散乱している…、そんな状態を散らかりと呼びます。
片づけとは、この混乱した状態に秩序をもたらす行為です。
モノには入り口と出口がある
モノはある日突然、そこに現れたのではありません。
貴方か家族が意図をもって、取り入れたから、そこにあるのです。
そして貴方か家族が意図をもって、外に出さなければ、未来永劫、そこにあり続けます。
モノの一生には、入り口と出口があります。
入り口から入ったモノは、その家で活躍し、その使命を終えたら、出口から出ていくのが健全な流れです。
入り口を意識してみる
STAY HOMEを経験して気づいた方も多いと思いますが、モノの所有によって幸せになる時代はとっくに終わりました。
大量生産・大量消費は過去の夢です。
私たちは今、もっと内的なことに価値を見出そうとしています。
なぜ、あんなにも、獲得することに一生懸命だったのか?
それは仕方がありません。
社会全体がそういう流れだったのですから。
もっと便利になりますよ、お似合いですよ、隣のお宅も使ってますよ…と、様々な媒体を使って、あの手この手で商品を売ろうとする社会。
たくさん稼いで、たくさん持てば、幸せになれる…と刷り込まれた私たち。
次々登場する新商品。
あおられる購買意欲に競争心。
それは踊らされもしますって。
これまで私たちはモノの流入に対して、とても寛大でした。
でもこの流れ込みを入り口でSTOPさせましょう。
規制強化です。
買う時に、もらう時に、受け取る時に、一度立ち止まって、考えてみてください。
今の自分の生活に、本当に本当に本当にソレが必要ですか?
本当に本当に本当にソレが欲しいですか?
迷いなく『はい!』…と言えるなら、なおかつその資金があるなら、答えはGOです。
でも、YESと即答できないのであれば…。
出口を意識してみる
モノには寿命があります。賞味期限や消費期限もあります。そして心理的な期限、つまり飽きもやってきます。
期限が切れたモノたちを、いつまでも保管しておくスペース的余裕がある家は、多くありません。
新しいモノがどんどん入ってくるのに、要らなくなったモノたちが場を空け渡さなかったら、あっという間に飽和状態です。
窮屈、押しくら饅頭、圧迫感、蓄積、停滞…、いいイメージは湧きません。
意図をもって入ってきたモノは、意図をもって出さなければならないのです。
取り入れるのは楽しいけれど、捨てるのは楽しくないし、むしろ辛い作業なので、できればしたくない…。
そうやって先延ばしし続けた挙句が、今の住まいの状態なのでは?
時間もかかります。体力も使います。頭も使います。お金もかかるかも…。
でも『捨てること・処分すること』は、避けては通れない大事なアクションです。
三つのフェーズ
貴方とモノの関係には三つのフェーズがあります。
① 吟味して取り入れる。
② 使って、愛でて、手入れをして、生活を豊かにし、喜びと利便性と潤いを得る。
③ 感謝して手放す。
三つのフェーズ間に滞りはありませんか?
その滞りが解消されれば、散らかりの原因そのものが小さくなるわけですから、片づけも一歩前進です。