片づけに着手した時、よく聞くお悩みは「夫の趣味のモノが…」とか「子どもが片づけなくて」とか「実家が散らかっていて」等、誰かのモノに関すること。
でも、ちょっと待って。
それって、自分のモノと向き合うのがイヤだから、視点をずらしているだけでは?
対象はあくまでも、貴方のモノです。
貴方が所有していて、貴方の裁量で処分を決めていいモノだけ。
人のモノは、たとえそれがパートナーや子どもや親のモノであっても、貴方のモノではないのですから。
…分かりますよ、人のモノほどゴミに見えること。
ですが貴方の目には、どこからどう見てもガラクタに映ったとしても、持ち主にとっては、かけがえのない宝物かもしれません。
そこには大切なヒストリーや思い出があったりします、ただ貴方が知らないだけで。
それは相手の領域、土足でズカズカ入り込んでいい場所ではありません。
人のモノに手をつけてもよいとしたら、それは貴方が完璧に自分のモノを片づけた後でしょうか。
完璧に!…ですよ。
まず見るべきは自分。
向き合うのは自分のモノ。
捨てるのも自分のモノ。
自分のことを棚に上げて、人のことに口出ししても、上手くいくわけがありません。
片づけの強要も、同じくNGです。
「もう捨てたら?」とか「いい加減、片づけなよ!」。
つい言いがちな言葉ですが、では、その同じ言葉を、貴方が言われたとしたら、どんな感じがしますか?
「今、やろうと思っていたのに!」とか「ほっといてくれ!」と反発するのではないでしょうか。
住まいを片づけるのは、なんのため?
住空間を居心地よく調えて、自分の居場所を創るためですよね。
つまり幸せになるため。
幸せを目指しているのに、わざわざ諍いの種をまく必要はありません。
でもご心配なく。
家の中には、貴方の裁量で取捨選択してよいモノが、山のようにありますから。
そして覚えておいてね、片づけは人のためではなく、自分自身のためにするのだということを。
私が私を大切にするために、他でもない愛する自分のためにするのだということを。