多くのことが目まぐるしく変わっていく世の中で。
・・・変わらないものもある。
赤児は成長して、大人になり、やがて老いる。
植物は発芽し、枝葉を伸ばして、花を咲かせ、やがて枯れる。
雪が溶ければ、桜が咲き、若葉が繁って、セミが鳴き、山が赤や黄色に色づいて、また雪の季節が来る。
流行はめぐり来て、昨年のトレンドが、今年は古くさい。
人は出会って、親しくなり、様々な経験を共有し、やがて別れゆく。
ひとつ処に留まってずっと同じ・・・なんて、あるのだろうか。
変わっていくことは、自然なこと。
人体の細胞だって、ほぼ1年で全部入れ替わる。
体の組成が変わるのだから、思考や感情や信条だって変わっていい。
「あの時、ああ言ったじゃない!」とか「以前と言うこと違うよね」とか指摘されても、時間とともに変化したのだから、仕方がない。
そしてこの変化、私は進化だと思っている。
あの時、ああ言ったのは、確かにあの時の真実。
あの時、ああいう行動をしたのは、確かにあの時の最善。
あの時、ああ思ったのは、確かにあの時の本心。
でも時とともに、進化した・・・。ただそれだけ。
嘘でも、偽りでも、裏切りでもない。
人がうつろって変わることは、自然な理。
全然、悪いことじゃない。
そうやって絶えず変化する世界で、変わらないものもある。
たとえ外側の形が変わっても、コアのところ、一番深いところは変わっていない。
すでに知ってはいるけれど、”それ”を再確認するたびに、嬉しくなる。
人っていいな・・・。人生っていいな・・・って。
”それ”を言葉にするのは難しい。
あえて表現するならば、リスペクトだろうか。
その人の存在に対するリスペクト。
何をしていてもいい。
成功していようが、鳴かず飛ばずだろうが、関係ない。
同じ時代にそこにそうして居てくれることへのリスペクト。
どこまでも高い空を眺めながら、そんなしあわせな想いに浸った秋の休日。