【7つのチャクラ】キャロライン・メイス著 ~第1チャクラ~

チャクラという言葉を最初に聞いたのはいつだったか。

たぶん15年くらい前、里美ねーやんに教えてもらったのではなかったか。

目には見えないし、もちろんレントゲンにも写らないが、人間の体には気が循環するパワースポットがある。

それがチャクラ。

お尻から頭まで背骨に沿って7つのチャクラがあり、体内の気はチャクラを通って、全身にめぐる。

チャクラにはそれぞれ対応する臓器や、かかりやすい疾病や、学びのテーマがあると言われる。

体の調子が悪い時は、いずれかのチャクラの回転が滞っていると考えられる。

当時、目に見える物が全てだと思っていた私は、はあ?・・・みたいな反応だったと思う。

霊とか魂とかスピリットとか輪廻転生とか神性とか、そんな話は胡散臭くて。

私だけでなく、一般社会も同じように拒否反応を前面に出していた。

だが時は流れ、「チャクラが・・・」とか「前世が・・・」とかいうワードが普通に使われるようになってきたし、眉をひそめる人の割合も減った。

チャクラの起源ははっきりしない。

古くからヨガの中で使われてきたので、ヒンズー教やインドあたりではなかろうか。

いずれにしても、長い時間、廃れることなく継承されてきたのは、それが真理だからなのかもしれない。

【7つのチャクラ】

チャクラの教科書として代表的な物は、キャロライン・メイスの【7つのチャクラ】だろう。

メイスは直観医療を実践していた。

問診をして、レントゲンを撮って、検査をして、患者の診断をするのではなく、相手の発する気を感じ、「~~ということは、ないでしょうか?」と自分の感覚を伝えるのだ。

リーディングの要素も、多少は入っていたかもしれないが、メイスはその人のバックグラウンドや悩みや体の不調について、彼女が知りえない情報を口にする。

目に見える物が全てであれば、どうやっても説明のつかない事象だ。

メイスはやがて患者たちの発病の原因や症状や疾患に、一定の法則があることに気がつく。

不調の影には、気の流れの滞りやチャクラの詰まりやバランスの悪さがある。

そこで彼女は、診察から得た知識を、体系立てて【7つのチャクラ】にまとめた。

第1チャクラは生きる基盤

第1チャクラは、尾骨のあたり、生殖器と肛門の間くらい。

サンスクリット語では「ムーラダーラ」。根を支えるという意味である。

言葉の通り、人体や人生の根っことなるチャクラ。

家族やコミュニティなど、集団に所属して生きる力を司る。

私たちは育っていく中で、その家族や地域や国の文化や伝統や規律を学ぶ。

それがいいとか悪いとか、正しいとか間違っているとか、検証する機会はなく、従うべきものとして刷り込まれる。

そして同じ価値観を共有する仲間として、存在することを許される。

人は1人では生きていけないから、集団に属することは必要な生き残り戦略だ。

だがある程度成熟すると、そこで教え込まれたことが、本当にそうなのか・・・と疑問を持つようになる。

集団の価値観や信念やルールや宗教観が、自分にはあわないと感じたり、永遠に変わらない真理がほかにあるのではないかと思ったり。

そうやって人は、探求を始める。

「本当のことを知りたい」、それは本能的な欲求でもあると、私は思う。

第1チャクラのチャレンジは、これまで所属していた安心の場から足を踏み出し、個人の力と尊厳を求めていくこと。

それは集団に埋もれて、責任の所在をあやふやにする生き方から、自分の責任をしっかり自分でとる生き方への転換だ。

メイスが挙げた例は、第二次世界大戦中に大量虐殺を行ったドイツ兵の在り方だった。

千百万人もの人が亡くなったというのに、直接手を下した兵士たちは「命令に従っただけ」と供述した。

現代であれば、1人を殺めた時点で、もうそれは取り返しのつかない罪なのに、当時は誰1人、責任を取ることができなかった。

これは戦争中という特異な例ではあるけれど、私たちは集団の中の1人から脱却し、自分で選択し、その選択の責任を自分で負う生き方への転換を迫られる。

集団から個へ

人はある程度の年齢までは、集団に属さないと生きていけない。

だが様々な経験を重ね、肉体的にも精神的にも成熟してくると、個として独立する時がやってくる。

それが20代なのか、50代なのか、80代なのかは、人による。

永遠に自分の足でしっかり立たぬまま、この世を去る人もいるだろう。

個として生きるよりも、誰かの影に隠れ、誰かに依存して生きる。

それもその人の選択。

だけど私の中には、これは違うんじゃないか、うまく言語化できないけれど、なにか薄っぺらいんじゃないか、これは本物なのか、嘘くさく感じる私の感覚はおかしいのか、もっと深くもっと美しい関係があるんじゃないか・・・という想いがずっと渦巻いていた。

それはきっと集団を捨てたいわけではなく、ただ人の成熟のプロセスとして、自分の個を確立したい欲求が抑えきれなくなっていたにすぎないのだと思う。

人生の危機

人生には、危機的状況が訪れることがある。

とても理不尽に思えたり、訳が分からなかったり、解決への道筋が全然見えなかったりで、途方に暮れる。

ものすごいストレスがかかり、実際に体に不調が現れることもある。

だがそれは、個人の成長にもう役立たなくなった古い信念から、自由になるべき時がきたからだと、メイスは説く。

次のステージに行くために、自分が変わるのか、これまでの信念にしがみつくのかを、選ばなければならない。

成長のステップを上がり、新しい世界は見たい、だけど慣れ親しんだこれまでの生き方から離れるのは怖い。

しかも変化は痛みを伴う。

たいていの場合、この選択を前にして、人は立ちすくむ。

だが嫌なら、あえて進まなくてもいいのだ。

行くか留まるかの選択権は、100%その人のものだから。

否応なしに教え込まれてきた価値観は、もしかしたら貴方の生き辛さの一因かもしれない。

人生というプロセスは、様々な人やシチュエーションを使って、選択の機会を与えてくれる。

さあ、どうする?

老いは60歳から始まる ~ジョージの場合~

ジョージは60代になったばかり。

メイスのセミナーに参加したのは、妻に引っ張られてきたからであり、チャクラや氣には関心がない。

だがセミナーが進むにつれて、「昔、親に言われたことが、まだ自分の体内に残っているのか?」と疑問を呈した。

ジョージの両親は、60代は老人であると信じていて、実際に70歳まで生きることはなかった。

息子のジョージも同じ考えを刷り込まれていて、60代になった自分はもう年寄りなのだと無意識に感じている。

だが「60歳から老人」という家族に受け継がれた信念を、ジョージは検証してみた。

昔の60代と今の60代は、全然違う。

日本でいえば、還暦を祝ってきたのは、平均寿命が50歳前後のところ、よくぞ60歳まで生きてきた、これはめでたい・・・という時代の名残で、多くが80歳でもシャキシャキしている現代と、同じ意味合いではない。

両親は60歳で老いることを決めたが、ジョージも同じようにしなければならない理由はないのだ。

「もう老人でいるのは、ごめんだね。」

古い信念を手放したジョージは、声高らかに宣言した。

そう、私たちは、これまで自分を守ってきてくれた信念や価値観を再検証し、今後も採用し続けるか、手放すかを選択していいのだ。

第1チャクラの課題

第1チャクラが関係する課題は、主にインナーチャイルドとお金に関する信念に現れる。

インナーチャイルドは、理性や常識を剥ぎ取った後に残る、その人の本音の部分。

本当はどう思っているのか、本当はどう感じているのか、本当は好きなのか、本当は嫌なのか、本当はどうしたいのか。

でも大人は、インナーチャイルドの声を聞くのが、とても下手だ。

建前や損得や周囲への影響を考えて、自分の本当の願いや気持ちを押さえつける。

そうやって生きてきた。

そうやって自分の居場所を確保してきた。

そうやって社会の中で生き残ってきた。

だけど人生のプロセスは、自分の本質に気づけと働きかけてくる。

この世界に、この時代とこの環境を選んで生まれてきた理由を、思い出せと。

生まれる前から決めてきた、取り組むべき課題に、もういい加減チャレンジせよと。

そしてお金に対する価値観。

生きていくために、お金は必要だ。

だけど、どこかでお金は汚いと思っていないか。

その観念は、いったいどこから来たのか。

お金=愛とは、どういうことなのか。

第1チャクラは基盤のチャクラ。

人生の基盤、生き方の基盤、在り方の基盤をじっくり見せつけてくれる。

インナーチャイルドとお金の考察は、長くなるのでまた別記事で。

第1チャクラの基本情報

対応するカラー
エネルギー同族意識の力
働き地に足をつける
対応する身体の部位背骨底部、脚、骨格、両足、直腸、免疫系
精神・感情面の問題家族、集団の安全、物理的生存に必要なものを提供する能力
自分自身のために立ち上がる力、安心感、
社会・家庭の掟、法と秩序
身体の機能不全慢性の腰痛、座骨神経痛、直腸腫瘍/ガン、うつ病、免疫疾患
レッスン真の正義とは、神なる存在の命による

この記事を書いた人

Chikako

金沢市在住。バラとコーヒーとコーギーが好き。
詳しいプロフィールはこちら。