おはよう、世界!
…そんなテンションで目覚めた8月4日の朝。
この日は、いよいよフィヨルドツアーに出かける。
ムーミンに会いたい、マリメッコが好き、パエリアが食べたい…、北欧に夢見たことは多々あるが、なんといってもフィヨルドに行くが、その最上位。
ベルゲンからのフィヨルド観光にはいくつかのルートがあるが、私たちはソグネフィヨルド・イン・ア・ナットシェルという周遊券を利用して、電車と船を乗り継ぐ日帰り観光を選択した。

周遊券のルートは、ベルゲン(ベルゲン鉄道)→ミュルダール(フロム鉄道)→フロム(フェリー)→ベルゲン。
バスを使ったり、途中教会や氷河を見学したりするツアーもあるが、あまり欲張らないことにした。
ベルゲン鉄道
ベルゲン駅発8:30の列車に乗る。
ミュルダールまでは、2時間ほど。
指定席を取ってあるので、のんびり出かけたら、列車の前に行列ができていた。

さすがハイシーズン。
でも改札もチケットの確認もなく、各自指定の座席へ。
指定を取っていない人もいて、せっかく座ったのに、何度も移動を促されていた。
電車はすぐに街を抜け、水量豊かな川べりを走っていく。

2時間あまりの乗車中、ずっと川と森を見ていたような気がする。
これもフィヨルドの一部なのかは分からないけれど、切り立った崖が続く様は、太古の昔、長い時間をかけて氷河が削り取っていったことを思わせる。
途中、グドヴァンゲンで下車してバスに乗り換える人たちもいたが、私たちは一気にミュルダールを目指す。

川面が近い。内陸部に向かって少しずつ標高が上がっている。
フロム鉄道
ミュルダール駅に到着。
山の中にポツンと一軒家的な感じで、ベルゲン鉄道とフロム鉄道の接続のためにあるような駅。
同じホームの反対側にフロム鉄道の緑の車両が待っていた。

…が、フロム鉄道は団体客以外、指定が取れない。
早い者勝ちだ! 急げ~~。

フロム鉄道の車内は板張りで、ノスタルジックな感じ。
出遅れた私たちは、窓側席をゲットできず。
標高800メートルのミュルダールから、フェリー乗り場のある海抜0メートルのフロムまで、1時間かけて下っていく。
この標高差が厳しくも美しい絶景を織りなし、車窓には息を飲むような光景が広がる。
フロム鉄道は乗り鉄たちの憧れの的で、多くの観光客を惹きつける。

勾配が急なので、道路もつづら折り。

ほぼ垂直の岩肌と急流の対比よ!

途中、ショースの滝で一時停車。
乗客は降りて、写真を撮る。

海抜630メートルに位置するショース滝は、落差93メートル。
すごい水量で、水しぶきが飛んでくる。
するとどこからともなく音楽が流れてきて、滝の横に人影が!
赤いドレスをなびかせて踊り始めた。
実際は伝説の妖精フルドラをアクタースクールの生徒さんが演じているのだけれど、大自然の迫力とあいまって、こんな場所なら妖精やトロールがいても不思議じゃない…と妙に納得してしまう。
中でもいろいろ鋭敏なAkemiちゃんは、あるはずのない記憶が浮上してきて、その懐かしさと温かさに泣きそうになるほど、感動していた。
自然信仰、シャーマニズム、アニミズム、民族の神話、個々の魂の物語、個々の家系の神話…、そんな繋がりを感じたんだって。

すっかりフルドラのファン。
ピリピリと笛が鳴って、乗客は電車に戻る。

これはフロム鉄道のHPからお借りした画像。
1940年に開通したフロム鉄道は、約20キロを1時間で結ぶ。トンネルは20本。
85年前、こんな場所に、大型重機も使わずに、人口500人のフロム村のために通した鉄道。
絶対コスパは悪い。政治家同士の対立や廃線の危機もあったという。
幾多の困難を潜り抜けて開通させた鉄道。その鉄道を今では年間500万人が利用する。
人間って、なんかすごい。

標高が下がってきた。民家が見える。フロムの街はもうすぐ。
フロム

緑のフロム鉄道に別れを告げる。
この後は、フェリーに乗ってフィヨルドクルーズ。
だけど乗船までに3時間ほどある。
フロムにはお土産物屋さんや博物館もあるけれど、乗船前にランチをしたい。
「Youtubeで見た、ワッフルが食べたい!」
すごく美味しいワッフルがあるらしいが、店名はおろか、どのYoutubeかも分からないという。
全員でネット検索をするが、引っかかってこない。
フェリーの乗船券販売所のお姉さんに聞いてみる。
「この辺でワッフルの美味しい店はありますか?」
困るよね~~~、こんなあいまいな質問。😅
でもお姉さんは同僚にも確認して、「フィヨルドファーム」ではないかと、答えを導きだす。
ボードウォークに沿って歩いて10分ほど、首にベルをつけたヤギが目印と、ご丁寧に地図までくれた。
首にベルをつけたヤギを探して、てくてく歩き、見つけた!

りんごの木の下に、何頭もいる。のんびり草を食んでいる。
ヤギだけでなく、鶏やミニブタも。

レストラン…というよりは、農場に併設されたカフェ?

恋焦がれたワッフルにありついた!

ナッツにアイスクリーム、たっぷりのシロップ。

食べ終わったら、どこからともなく蜂がやってきて、「いい蜜があった💕」とばかりに採取していった。
元はと言えば、君たちが集めた蜜なんだけどね。

空気が澄んでいて、眺めのいい、気持ちのいい場所だった。

お花もいっぱい咲いている。

フラワーガーデンもあった。

でっかい花キャベツ。植物がすごく元気。
花もいっぱいあるのに、なんでわざわざキャベツと写真?…と笑われちゃった。

後ろに豪華客船。何日もかけてクルーズする人もいる。

船がでっかいホテルみたい。いつか乗ってみたいね。

お土産物屋さんの奥に、フロム鉄道の博物館がある。

車両や建設機器や馬車などが展示されている。


お…、そろそろ乗船時間だ。早めに行って、窓際席を取らなければ。
ショースの滝のフルドラの踊り↓
→北欧旅行2025⑦につづく