共通の誰かを攻撃することで、連帯感を感じる。
同じ気持ちなんだ…と、一気に親しくなったと嬉しくなる。
そして悪口はどんどんエスカレートして、本来の攻撃理由を遙かに超えていく。
でも、それ違うから。
貴方とその人は、ちっとも親しくなっていない。
この人のことが好きだなぁ…と近づいたわけではない。
相手も同じ。
悪口を共有できる、共通の敵を攻撃して鬱憤を晴らせる…、ただそれだけ。
じゃあ、もしその共通の敵がいなくなったら、どうなる?
攻撃ではなくて、世界の美しさや、人の尊さや、生きる希望や、友情や愛や悦びで、同じように盛り上がれる?
共通の敵を得て、味方ができたと思うのは、勘違いだよ。
誰かを攻撃する時、脳内に快楽物質が放出される。
ドーパミンというやつ。
だから攻撃すればするほど、気持ちがよくなり、高揚してしまう。
特に正義の鉄槌を振り下ろす時、ドーパミンはいっぱい出るらしい。
相手の非を正してあげる私…に酔う。
ネットで匿名で叩いたりするのと、同じこと。
最初はちょっと叩いてみただけなのに、ドーパミンが出ちゃって、どんどん興奮状態になり、やめられない。
目を覚ましてね。
脳の仕組みのせいでもあるんだけれど、誰かを攻撃することで得た友人は、本当の友人ではないから。
それよりも、この人は私と全然違うから面白いとか、新しい視点を見せてくれるとか、共通の興味があるとか、同じ方向を目指しているとか、なんだか妙に惹かれるとか、そんな理由で親しくなる人とのほうが、きっといい関係が紡げると思うよ。