パラダイムシフト(英: paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが、革命的にもしくは劇的に変化することをいう。パラダイムチェンジともいう。
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最初は科学史で使われていた言葉らしいが、現代ではそれが拡大解釈され、一般化している。
もっと分かりやすく言えば、パラダイムシフトは価値観や考え方の大転換のことだ。
今まで【A】と固く信じていたことが、なにかのきっかけで、これまでの認識を改め、【B】と考えるようになる。
たとえば・・・。
スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』で紹介された事例。
地下鉄の車内に、父親と子ども二人がいる。
父親は心ここにあらずの放心状態で、子どもたちは、公共の場でもあるに関わらず、騒いでいる。
うるさいなぁ・・・。乗客は眉をひそめる。
やがて乗客の1人が、意を決して注意をする。
「電車の中では静かにするように、お子さんたちに言ってください。」
よくぞ言ってくれました!我が意を得たりの乗客たち。
はっとして顔を上げる父親。
涙をこらえるような声で詫びる。
「すみません。つい1時間ほど前、妻が亡くなりました。
葬儀の準備のため、病院から家に帰る所ですが、私はもうどうしていいか分からなくて・・・。
これから1人で、どうやって子どもたちを育てていけばいいのか。
そんなことで頭がいっぱいで、子どもがご迷惑をかけていることにも気づきませんでした。
子どもたちはまだ幼くて、死というものを理解していません。
うるさくして、すみませんでした。」
父親の言葉を聞いた途端、車内の空気が変わる。
今まで、父親に向けられていた非難の眼差しが、一瞬にして、同情と理解の眼差しになったのだ。
そんな事情があったのか・・・。
子どもたちが騒いでいることに変わりはないが、周囲の受け止め方は、180度変わった。
この変化がパラダイムシフトだ。
状況は同じであっても、受け止め方や感じ方が変わること。
そしてそれは一瞬にして起こる。
パラダイムシフトは、誰にでも起こりうる。
見方が180度変わってしまった経験、貴方にはない?
私たちは、みな、自分のフィルターを通して物事を見る。
それぞれのフィルターには、違う色がついている。
それはちょうどサングラスをかけているようなもので、茶系のサングラスをかけていれば、茶色のフィルターがかかり、紫系であれば、紫色のフィルターがかかる。
だから同じ物事を見ていても、同じには見えていないのだ。
だから覚えておこう。
相手は必ずしも、自分と同じようには感じていないということを。
だから覚えておこう。
自分の捉え方が、必ずしも100%の正義ではないことを。
だから覚えておこう。
フィルター(考え方や感じ方)の違いは、ただの違いであって、敵対するには値しないことを。
人生には時に、絶対にありえないと思うようなことも起こる。
それは思いもよらないタイミングだったり、想定外の展開だったりする。
でもきっと全ては、必然。起こるべくして起こる変化なのだと思う。
パラダイムシフトとは、つまりはサングラスを掛け替えること。
これまでよりも、より透明度が高くて、クリアなサングラスに。
もっとよく見えるようになるよ。
もっと理解できるようになるよ。
もっと優しさと愛が生まれるよ。
パラダイムシフトの向こうには、相互理解が待っていると私は信じている。