ブログ仲間が、次々と金沢の名物やスポットを紹介をするので、私も!
金沢は和菓子が美味しいことでも有名ですが、その理由、ご存知ですか?
その昔、前田利家とその子孫は、信長、秀吉、家康と、その時々の権力者に仕え、着々と出世を遂げ、加賀は百万石の押しも押されぬ大きな藩となりました。
幕府にとって、強大で豊かな加賀藩は、いつ謀反を起こさないとも限らない脅威になります。
ただ前田家には、幕府にたてつく意図はなく、利家の妻・まつが江戸に人質として上がったりもしましたが、それ以上に幕府への忠誠を証明しなければなりませんでした。
そこで前田家は、城下の伝統文化の発展に、ことのほか力を注ぎます。
つまり茶道や華道や能や踊りや謡いなど、武道とは関係のないことを奨励したのです。
民衆の間で、茶道が盛んになるにしたがって、お茶菓子も一緒に広まっていきました。
菓子職人が腕を競い合い、見目麗しく美味しい和菓子の店がいくつも生まれ、老舗として、今日まで続いています。
その老舗中の老舗、加賀藩御用菓子司・森八さん。
本店は橋場町にあります。兼六園からも近江町市場からも徒歩圏内です。
1階はお菓子の販売と休憩スペース。九谷焼の(とても高価な)菓子鉢も展示してあります。
私が行った時は、ちょうどお雛様の季節でした。
歴史のありそうなお雛様です。手前のでっかいタイはお砂糖。
余談ですが、雛人形は3月3日を過ぎたらすぐ片づけないと、娘が行き遅れになると言われていますが、金沢では4月3日までお雛様OKです。
森八さんの春のお勧めトップ3です。
No.1の宝達は、私の一押しでもあります。
普段は小倉あんですが、この季節だけ白小豆桜あんの春の宝達がラインナップに加わります。
いうなれば、半月型の皮の薄いどら焼きみたいなお菓子ですが、この皮がモチモチしていて、たまらない食感。
ひとつ食べたら、絶対おかわりしたくなります。
桜もなかは、もうとにかく可愛い。
皮のデザインは、100年前の菓子木型の図柄を再現したそうです。
100年も前から、女子のハートを鷲づかみにする木型があったなんて。
森八…侮りがたし!
桜もなかは、ピンクとベージュの2種類があり、それぞれ黒小倉あんと草小倉あん。
見ているだけでも幸せになれるお菓子です。
桜餅も奇をてらわず、昔懐かしい味がします。
桜餅ここにあり!…と言わんばかりの桜餅です。
トップ3もいいのですが、森八さんに来たら、やっぱり上生を食べないと!
2階の和風カフェで、宝石のように美しい上生菓子をいただけます。
ひとつお選びください…と言われるのだけれど、どれもこれも本当に可愛らしくて、この中からひとつだけなんて、残酷な話です。
上生菓子とお茶がセットになっていて、抹茶・棒茶・コーヒーなどから選べます。
この日の気分はコーヒーだったので。
「さくら」の中は黄味餡。
抹茶を頼んだ日もあります。
お菓子は「行く春」。白こしあんでした。
窓の外は、緑のお庭。きれいなお菓子に、木漏れ日がチラチラと降り注ぎます。
至福の一服でございます。
ちなみに4月に入ると、お菓子が変わります。↑
森八の代表格・落雁の木型の博物館も併設されています。
(私は落雁は苦手…)
オンラインショップもありますよ。
記事を書いていたら、また食べたくなっちゃった…。