捨てずに死ねるか 2021’

今日死ぬかもしれない・・・と危機感をもって生きている人は、ほとんどいないだろう。

だけどその可能性はゼロじゃない。

いってきます!と元気に出かければ、ただいまと帰ってくるのが当然と思い込んでいるが、そんな保証はどこにもないのだ。

人生何が起こるか分からない。

確率は低いと思うけれど、まさか私に限って・・・という事態に見舞われることはありうる。

 

もし不運にも、突然命の灯が消えてしまったら・・・、みんな、これまでありがとう、さよなら~~~と、笑顔で天国へ行けるだろうか?

やり残したこと、伝えそびれたこと、心残りなこと、諸々あるだろうけれど、まあ、それも人生。

突然のことなのだから、そういう定めだったと諦めるしかない。

悲しむ暇もなく葬儀や諸手続や相続に追われる遺族も、しばらくは慌ただしい日々を送る。

そしてやってくるのだ、遺品整理をする時が!

膨大な持ち物を、持ち主以外の人が整理・処分する。

これは相当な労力を要する。

日頃から、身辺を整えていなかった人は、ほんとにごめんなさい・・・とあの世で平身低頭するしかないだろう。

だけど、ただ捨てればいいモノたちは、まだいい。

あなたにはないだろうか、絶対、誰にも見られたくないアレ!

押し入れの奥深く、開かずの段ボールに入ったままのアレ!

自分で処分しておけばよかったと、悔やんでも悔やみきれないアレ!

それが愛する家族の手で、白日の下にさらされるのだ。

考えただけでも、卒倒しそうだ。

 

実家の片づけを進めていたら、以前私が使っていた部屋のクローゼットから、スキー靴の箱が出てきた。

ずっしりと重いが、中身に心当たりがない。

断捨離

開けてみて、びっくり仰天。

私が学生の頃に作った教材や課題の楽譜などが詰まっていた。

未だにこんなモノが残っていたなんて。

断捨離

日曜学校で使う、歌詞ボード。

そういえば、昔、イラスト描いてたんだ、私。

教材

紙芝居。

どんな話だったか覚えていないけれど、私のサインがある。

当時から鳥が好きだったようだ。😅

オーケストレーション

オーケストラ用に編曲した楽譜。

ブラスバンドすらやったことのない私には、ひじょうにハードルが高い宿題だった。

オーケストレーションの単位は、ギリギリでもらったんじゃなかったかな。

資料

高校生の時のレポート各種。

さすがJK、英語も丸文字だ。

似顔絵

セントルイスのSix Flagsというテーマパークで描いてもらった似顔絵。

当時は黒いプードルみたいな髪型だった。

ジュニアリサイタル

学内のジュニアリサイタルのポスター。

(3年生がジュニアで、4年生はシニアリサイタル)

パソコンで作る時代ではなかったので、友達が描いてくれた。

そっくりだけど、ガリガリなChikakoと並べるな!・・・と、ふくよかなフィリスはご不満だった。

 

ここまではよかった。

手に取ると、40年近く前のことが思い出され、懐かしくもあった。

こういうものなら、人に見られてもどうってことはない。

だが、箱の一番底から現れたモノは違う。

日記帳

日記帳だ。

小さな丸文字で、びっしり書き込まれている。

小学校高学年から高校1年くらいまでの日記で、少し読んでみたが、赤面してしまって先に進めない。

なんというか・・・、中二病全開どころか、バリバリにこじらせた、独りよがりの世界観。

恥ずかしいどころの騒ぎじゃない。

書いた本人ですら、こんなにいたたまれないのに、もしこれが他人の目に触れたら・・・と思うと、冷や汗がどっと噴き出す。

子どもたちには、未来永劫、絶対知られたくないーーーーーー!!!!!

 

とはいえ、これは正真正銘、世界にたったひとつの私の思春期の記録だ。

将来、物語を書きたいと思っている私には、ガラスの10代の気持ちを探る、最高の資料かもしれない。

 

貴資な資料 VS 末代までの恥

 

そういえば、思い出したことがある。

私が20歳くらいの頃、母が古いノートを出してきた。

「貴女のお父さんね、こんな小説書いてたのよ」・・・と。

それは男女6人のパーティが山に登る話で、○○がチロリアンハットをかぶっていたとか、オレンジのチェックのシャツが似合っていてとか、・・・理系の父が精一杯背伸びして書いたであろう小説だった。

登場人物の1人は、きっと父だったのだろう。

最初の数ページを読んで、「父は絶対、人には読まれたくないだろう」と思った。

ましてや自分の娘には。

武士の情けを知る私は、母には黙って、父の青春の記録を処分した。

 

あれと同じだ。(親子だなぁ・・・)

早逝した父には、自分で処分する機会も猶予もなかった。

母がノートを私に渡した時、きっとあの世で後悔のほぞを噛みちぎったことだろう。

お父さん、すばらしき教訓をありがとう。

おかげで私は、同じ轍を踏まないですむよ。

 

ゴミ袋にそのまま入れるのも気が引けるので、ラッピングして捨てようかな。(←これこそ無駄なんじゃ・・・)

この記事を書いた人

Chikako

Chikako

金沢市在住。バラとコーヒーとコーギーが好き。
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