ホームから滑り出して行く列車を、なすすべもなく見送る。
電車組の3人はどちらかというとおっとり組で、取り残された3人はチャキチャキ組。
電車の終点が目的地のヘルシンキセントラルステーションなのは不幸中の幸いで、降りる駅が分らないことはないはず。
とりあえず「終点で下車して、自力でホテルに行って。ホテルは駅に隣接しているから」とLINEにメッセージを入れた。
深夜の追いかけっこ
では私たちはどうやって追いかけようか。
終電だと思っていた電車は終電ではなく、待っていれば次の電車が来る。
でもそれは30分後。
できるだけ早く合流したい。
ならばタクシーしかない!
目を見合わせた瞬間に、合意に達する3人。夜中なのに、アドレナリンが体内を駆け巡る。
さっき下りてきた長~~~~~~いエスカレーターのすぐ隣に、直通エレベーターを発見。
キャリーをゴロゴロ引きずりながら飛び乗って、地上へ向かう。
エレベーターの中で、Uberでタクシーを呼び、構内表示を目で追いながら乗り場へ走る。
気が気じゃなかった。
6人分の電車のチケットは私のカードで決済したが、現物は手元になく、電車組も支払い済みであることを証明できない。もし車掌さんに咎められたら・・・、ちゃんと弁明できるかな。
後から現地の人に聞いた話では、チケットはネットかICカードのパスで買う人がほとんどで、券売機を使う人はまれ。おそらく用紙切れだったのでは・・・だって。そんな理由ーーーー?😲
タクシー乗り場で待っている時、4社のタクシーが会社毎にきっちり並んでいることに気づいた。
Uberタクシーが入ってこれるスペースが、どこにもない!
スマホ画面を確認すると、呼んだタクシーは空港に到着寸前だ。
待ち合わせ場所、違うかもしれない。
そこら辺にいる人を捉まえて、Uberタクシーの乗り場を聞いてみると、建物の反対側だという。
きゃ~~~、みんな、走れ~~~~!🏃🏃🏃
・・・今こうやって振り返ってみると、私ってこういうとこ、あるよな~~と思う。
私より大きなスーツケースを転がしながらついてくる二人のことを、全然気にせず猪突猛進。回りのことが見えていない。
呼んだタクシーを見つけることだけに全集中して、突っ走ってしまう。
焦ったり、余裕がなくなったりすると、こういう傾向が出てくるなと反省。
で、くだんのタクシーは、私たちより先に到着して、ちゃんと待っていてくれた。
陽気な運転手さんで、他のメンバーとはぐれてしまったことを話すと、駅からホテルは迷いようがないから大丈夫と慰めてくれ、夜中の道をかっ飛ばしてくれた。
30分ほどでホテルに到着。星(Uberの評価)とチップをよろしくね💕・・・とウインクとともに去って行った。
スカンディック グランドセントラル ヘルシンキ
ヘルシンキで3泊するのは、スカンディックグランドセントラルヘルシンキ。
夜なので、辺りの様子がよく分らないけれど、運転手さんがここだと言った入り口から中へ。
玄関ドアは高さ3メートルはありそうな、巨大な観音開き。
最新式な感じはしなかったので、押し開けようとしたら、すっと自動で開いた。
これはすごいと思ったけれど、ドア前に5段ほどの階段があって、自力で上らなければならない。
荷物が重くても、私たちは引っ張り上げることができるが、身体の不自由な人や高齢者はどうするんだろう。福祉先進国だよね、ここ?

ブルーが基調のホール。この右手にレセプションがある。
ドキドキしながら右に曲がると・・・。
(O_O)(O_O)(O_O)(O_O)(O_O)
いたーーーーーーっ!
(≧∀≦)(≧∀≦)(≧∀≦)(≧∀≦)(≧∀≦)
小1時間前に、生き別れになった懐かしい3人が。
よかった~~。無事に着いてた。気が抜けて、その場にへたり込みそうだった。
抜け殻みたいになりながら、6人で順番にチェックイン。
すでに日付も変わっていたので、早々にお部屋に向かう。

あら、素敵なお部屋。
そんなに広くはないけれど、天井が高いので圧迫感はない。

バスタブはないが、洗面所はきれい。
このホテルは歴史的建造物の中にあるクラシカルホテルなのだが、水回りなどは機能的にリノベーションされていて、古きと新しきが美しく融合していて、ひじょうに居心地がよい。
荷物を置いて、カーテンを閉めようと窓に近づいた。窓外には・・・

なんと、電車!

そう、ホテルの建物と電車のホームがぴったりくっついているのだ。まさに地続き😲
電車組の3人もこのホームに到着したはず。
わあ、なんかワクワクしちゃう。(私は乗り物が好き)

デスクの上には、赤い耳栓。
電車がうるさかったら使ってね・・・ということらしいが、むしろ私は嬉しいかも。
ずっと電車を眺めているのも楽しそうだけれど、明日は早いので、おやすみなさい。
今日は疲れたね。

昼間に写したホテルの正面。

すっと滑らかに開く、重たそうな玄関ドア
→北欧の旅2025⑫へつづく