近所にかわいいコーギーがいる。
人懐こくて、愛くるしくて、元々コーギー大好きな私は、一目でとりこになった。
数字にちなんだお名前にしたかったので、ギリシャ語で9を表す❝ノナ❞ちゃんにしたそうだ。
でもお孫さんは、野菜が好きだから、野菜(のな)なんだよね~~と言うらしい。
その可愛くて野菜が好きなノナちゃんを、我が家で1泊お預かりすることになった。
経緯
我が家にも4年前までコーギーがいた。
長野で生まれた仔犬を、家族全員でお迎えにいった。
ロッキーと名付け、家族の一員として一緒に暮らした日々。
犬がいる生活は、お金や労力の面で大変なこともあったけれど、とても楽しかった。
そのロッキーが虹の橋を渡ってしまってから、私たちの心にはぽっかりと大きな穴が開いた。
もう一度会いたいとどんなに願っても、もうあの温もりを抱きしめることはできない。
思い出すたびに、涙が出た。
あれから4年、今もロッキーのことを忘れてはいないけれど、泣くことはなくなった。
そんな時に出会ったのが、ノナちゃんだった。
初対面から、私の脚にまとわりつき、撫でて、撫でてと愛嬌を振りまく。
懐かしいなぁ…。
この目、この感触、この匂い。
その後も、町内でお会いする度に撫でさせてもらった。
車で走っている時に、お散歩中のノナちゃんを見かけ、わざわざ車を降りてハグさせてもらったことも。
毎回、イチャイチャする度に、もし預かり先が必要な時は、ぜひ我が家に…と、ホームステイ先として立候補した。
ノナちゃんの様子に安心してくれたのか、私のプッシュに根負けしたのか、いつもはペットホテルを利用するのに、今回は我が家に預けてくれることになった。
お試し訪問
いきなり一泊では、ノナちゃんも戸惑うし、飼い主さんも反応を見たかったので、本番の10日ほど前に、我が家に遊びにきてくれた。
足を拭くと、なんの躊躇もなく、上がってくるノナちゃん。
そのまま部屋を歩き回って、クンクン匂いをかぐ。
もうロッキーの匂いは残っていないと思うけど、どうかしら。
30分ほど、飼い主さんとお茶を飲みながら、様子を見ていた。
その後、飼い主さんだけしばらく家を出る。
ノナちゃんは、玄関をウロウロしながら、ワン!と1回吠えたが、私が「おいで~~」と部屋から呼ぶと、トテトテ走ってくる。
飼い主さんがいないことは気になるけど、我が家がイヤというわけでもなさそうだ。
ノナちゃんが遊びに来るからと、わざわざ関東から帰ってきちゃった娘も、存分にナデナデさせてもらって、至福の時を過ごした。
ホームステイ1日目
朝10時、お泊りグッズとともにやってきたノナちゃん。
二度目とあって、もう慣れたもの。
早速キッチン周辺を探索している。
飼い主さんが出かけた後、アレッ?…と思ったのか、玄関に。
3分くらいウロウロして、ひと声「ワン!」と吠えた。
「大丈夫だよ、明日まで一緒にお留守番しようね。」と声をかけた。
ノナちゃんは、伏せをしたり、ゴロンと横になったり、玄関でふて寝を決め込んだが、2時間くらいで気が済んだようだ。
自分から部屋に入ってきて、私のそばに座ったり、クンクンしたり、さらに寝たり、気ままにしている。
夕方のお散歩
ノナちゃんのお泊りで、私が楽しみにしていたことのひとつが、お散歩だ。
ロッキーがいる当時、どんなに大雨でも吹雪でも熱帯夜でも、朝晩のお散歩は欠かせなかった。
今日は行きたくない…と思ったことが、何度あったことか。
だけど、お散歩に行けなくなると、途端にもっとたくさん歩いてあげればよかった…と後悔するのだから、人って勝手なものだ。(あ、私?)
久しぶりにエアマックスを履いて、勇んで出かけた。
さあ、歩くよ~~~!
だがノナちゃんは、あまり気乗りがしないよう。
黄色に染まったメタセコイアの並木を歩きたかった私に反して、自宅の方へ行きたいと主張する。
じゃあ、ワンコが集まる公園に行こうか?
その昔、ロッキーといつも散歩に行った公園には、今も変わらずワンちゃんが集まっていた。
ワンちゃんたちも世代交代して、顔ぶれがずいぶん変わっている。
その皆さんが、怪訝そうな顔で私たちを見る。
犬はノナちゃんだけど…、なんでChikakoさんが一緒なの?
一晩預かっていることを伝えると、ちょっと驚かれた。
そうね、犬ってけっこうデリケートだから、違う環境だと不安定になったりするからね。
おまけにバリケンもケージもないと言うと、すごいね、ノナちゃんはお利口なのね…と。
仲良しの数頭が、家まで送ってくれて、1時間半のお散歩は終了。
めっちゃ楽しかった。
夜のご飯
なんでも食べるよ…と言われたけれど、やっぱりよそ様のお嬢さんだし、滅多なものはあげられない。
お預かりしたフードと軽く蒸したキャベツと人参が、ノナちゃんの夕ご飯だ。
お皿に入れてあげたら、秒で完食。
コーギーはどの子も食いしん坊。
リンゴを剥いていたら、ちょうだい!…とかなり強めに要求された。
リンゴなら、まあ、いいかな…と、一口サイズを三つお夜食に。
家族の反応
ただいま~~と帰宅した夫を、ノナちゃんが玄関まで迎えに出る。
「お、来てたのか、ノナちゃん」と途端に相好を崩す。
待て待て、メガネ取るから…って、なんのことかと思ったら、メガネを外して、ノナちゃんに顔をペロペロさせていた。
え~~~~?ロッキーにもそんなことさせなかったのに。どういうこと?
もう二度と犬は飼いたくない…と言う夫だが、それは犬が嫌いだからじゃないんだな。
そして、コーギーが来てるよ…とLINEをしたら、なんと滅多に帰ってこない息子までもが、帰宅。
可愛いノナちゃんを見て、おお~~~と感嘆したかと思ったら、すぐスウェットに着替えてきた。
床にベタンを座り込み、膝に飛び乗ってきたノナちゃんとベタベタしている。
みんな、なんだかんだいって、コーギーが大好き。
ノナちゃんの様子
ノナちゃんは別段寂しがる様子も見せず、リラックスしているように見える。
誰にでも甘えられる特技は、是非、見習いたいものだ。
階段は登れないということで、1階部分のみを行き来しているが、和室はNGとした。
ロッキーには許されなかったラグやソファの上も、その甘いマスクで「いいでしょ?」とおねだり。
みんなもうデレデレなので、「まあ、いいか」と許してしまった。
もはや孫を甘やかす祖父母と同じ。
可愛いは最強だ。
睡眠
かわいいけれど、ベッドや布団には上げない。
私たちは2階、ノナちゃんは1階のリビングで寝ることにした。
バリケンやケージに入れていないので、夜中に何をしていたかは不明。
だが吠えたり、クンクン鳴くこともなく、静かに眠っていたように思う。
ワンちゃんがいるっていいなぁ…。
2日目、ちょっとした事件が起こる。長くなったので、次記事で。
→お散歩に履いていったエアマックスの記事はこちら