忙しい1週間が終わった。
なんか笑える映画が観たいな・・・と選んだ【老後の資金がありません】。
予想以上によかったよ。
【老後の資金がありません】のストーリー
50代の夫婦、後藤篤子(天海祐希)と章(松重豊)。
持ち家(ローンあり)で、現在の貯蓄は700万。
老後の資金は2000万円必要と、経済評論家の萩原博子にTV画面の向こうから訴えかけられて、不安を覚える。
後藤家の家計はカツカツで、節約に節約を重ねる篤子は、底が破れたバッグを買い替えることもできないし、食卓の定番は豚モヤシ鍋。
そんな余裕がない中で義父が亡くなり、葬儀費用を負担することに。
老舗に相応しい葬儀をと迫る姑に、オプションをどんどん追加する葬祭コーディネーター。
費用はお香典で支払えばいいと乗せられたが、蓋を開けてみれば、結局300万以上の持ち出しとなり、虎の子の預金が目減りする。
加えて長女がデキ婚することになり、相手方の希望でド派手な結婚式をねだられる。
そんな時、夫婦揃って失業。
仕送りができなくなったので、姑の芳乃(草笛光子)との同居に踏み切る。
あれよあれよという間に、どんどん窮地に追い込まれる後藤家。
家計簿とにらめっこで悩む篤子に対し、夫の章はどこかのんびりしていて危機感がない。
人生80年時代、お金のない夫婦はこれからどうなるのか?
基本的にコメディ
お金がないというシリアスなテーマながら、次々降りかかる難題にあたふたする登場人物たちがどこかユーモラスで、いっぱい笑える。
明らかにオレオレ詐欺だと分かる場面では、電話を受けた芳乃が「騙されないわよ!」とどや顔をするも、訪ねてきた刑事を名乗る仲間にまんまとやられてしまう。
その後、本物の刑事も登場するが、詐欺師の刑事との対比が面白い。
失業した章が篤子に電話で謝るシーンは、バックに踏切の音が入り、まさか電車に飛び込むつもり?と焦る妻。
大丈夫、なんとかなるから、とりあえず帰ってきて!と相手を落ち着かせようとするが、電話の向こうの章はのんきにアイスを食べていたり。
長女の結婚相手が加藤諒、その両親が佐々木健介と北斗晶夫妻。
この一家はド派手なビジュアルで笑わせてくれる。
宝塚にからめたギャグも見逃せない。
私の斜め前に座っていたオバサマがケタケタ声をあげて笑ってくれたので、私も遠慮なく笑わせてもらった。😆
Chikakoの感想
天海祐希さんは押しも押されぬ大女優だが、コメディエンヌとしてもピカイチだと思う。
真面目な顔して笑いを取るのは、実はすっごく難しい。
いっぱい笑わせながらもほろりとさせ、宝塚仕込みの歌も披露して、彼女の多才ぶりをたっぷり堪能できる。
怒った顔と笑った顔、どっちもいいよね。
結末はう~~んどうかなと個人的には思ったが、人の生き方はそれぞれだ。
家族という枠組みが多様になってきている時代、そんな選択肢もアリかもしれない。
実際、血縁から離れて共同生活をしている人たちを知っているし、なかなか楽しそうではあるから。
原作は垣谷美雨さん。
日常のあるあるを少し変わった視点から描く作家さんだ。
→垣谷美雨著【うちの子が結婚しないので】Chikakoのブックレポート
→垣谷美雨著【70歳死亡法案可決】Chikakoのブックレポート
→垣谷美雨著【夫の墓には入りません】Chikakoのブックレポート
どの本も面白いよ。